SixTONES LIVE TOUR 2024 『VVS』東京ドーム公演3日目に行ってきた。
例に漏れず、友人が当てた制作開放席に同行させてもらったパターンだが、まさかのオーラスである。SixTONESの曲は好みだし、メンバーの人となりもなんとなく分かる。しかしファンというわけではない。明らかに大事な公演に行っていいのかと思いつつ、多分ドーム規模のグループを好きになることはないだろうから、これもいい機会と誘いに乗ることにした。
ドームコンサートに入るのは2回目だと思う。初めては親に連れられて、同じく東京ドームでEXILE。アリーナ席で、しかもまあまあ前方ブロックだった記憶があるが、チビガキだったので傾斜がないことが逆に不満だった。しかも電子の歌姫と平面の人間にしか興味がなかったゆえに、曲も数曲しか知らない状態だったし、(坊主サングラスでシンガーという分かりやすさで)ATSUSHIしか判別していなかった。いやさすがにTAKAHIROも分かっていたかも。なんにしてもすべてがもったいなさすぎる。
SixTONESのライブは、メンバーは当然として、なにより客が会場を盛り上げる気概で来場してくることで事務所内で有名だ。一方のわたくしは、声を出さないしすきあらば座りたいし棒立ち双眼鏡自担ロックオンのスタンスである。価値観が合わない。というかしばらくそれでやってきているので今さらノリ方とか分からない。せめて曲は勉強しようと、最新アルバムを高速で手に入れて数回くらい再生した。まあジュニア曲やシングル曲、タイアップ曲は知ってるし方向性自体も好きだし、イケるだろう。
そんな甘い感じで入った感想としては、ドームコンサートって嫌いだな〜!
まったく違う角度からの感想すぎてすまん。もともとコンサートを行う用途で作られていないため、やはり音響がひどい。歌声どころか音すら拾えない。アルバムを聴く中で、気に入って楽しみにしていた『Bang Bang Bangin'』の出だしがつぶれていてかなり歯がゆい気持ちになった。安定して歌えて積極的にアレンジもできるメンバーも多いのにもったいなさすぎる。とはいえ、音響サイドはめちゃくちゃがんばっているんだろうな…ということは伝わった。アコースティックコーナーあたりは聴きやすかったように思う(バンド編成よかった〜)。どう考えてもこの先、東名阪でドーム以下の規模のライブをやるのは難しいだろうし、こればかりは技術の進歩に期待するしかない。SONY、ドーム構造に負けるな。SixTONESさん、無理なお願いでしょうがNHKホールでライブをやりませんか。自分、蟹工船乗ります。
自分がドームコンサートに向いていない人種と分かったことは大きな発見だったとして、時には力強く、時には情感たっぷりに歌う彼らはかっこよかった。曲もオルタナティヴ・ロックやパンク・ロック、エモなど多彩に揃えているグループだが、それらを組み合わせたセトリの緩急も好みだった。魅力的なパフォーマンスを披露する一方で、MCはテンポがよくとにかく笑わせられる。40分くらい喋っていたのにも関わらず、ぽんぽんと話を展開させていたので飽きなかった。あとは色気を強調した振り付けやメンバー同士の濃厚な絡みがやたら多く、披露されるたびに超巨大な黄色い声が響いてとても景気がよかった。あれを見たところでさして私は興奮しないタチだが、気が狂ってしまったような奇声をあげるということに男アイドル現場の様式美を感じる。ので、私も拾える限りで気が狂ってしまったような奇声をあげておいた。まあ京本大我さん(顔が好き)の頬にジェシーさん(顔が好き)が口元を近づける絡みには素直に興奮して、隣の友人に「好きな顔と好きな顔の距離が近い!!!」と報告してしまったわけだが。
『こっから』がMV公開時からずっと好きなので、聴けてよかった。
ヒップホップとファンクをミクスチャーした楽曲で、タイアップであるドラマの内容と本人たちを想起させる泥臭くも前向きなリリックがたまらなくかっこいい。RHYMESTERの『B-BOYイズム』のサンプリングもしていそうで(今調べたら言及している人をちらほら見受けたので合っていると思う)、なんとなくオールドスクール感。それまで、田中樹さんがラップを一身に引き受けていると思っていたので、全員が難なく歌っていることにラップができなければSixTONESに加入できないのか…と感じた記憶がある。
高くなきゃダメ 低くてはダメ
って思い込んでることこそがダメ
好きこそ物の上手なれ で次こそ終える根比べ
ここの松村北斗さんの掠れた歌い方がとてもいい。
そういえばCD音源だとスルーしていたが、どの曲もエフェクトをガンガンかけているしシャウトやフェイクもしれっと入れていてボーカルも楽器のように扱うグループなのだなと興味深かった。楽器という考え方自体はあるだろうが、アイドル界隈ではプロデューサーがマニアックなド変態でもない限りそういう扱われ方はあまり見ない気がする。
ところで、顔面が好き・さらに以前見かけた「この世を本当の地獄だと思って生きている」という趣旨の発言に惹かれ、ジェシーさんのうちわ(髭には納得がいかない)を持って今回入った。……のだが。
メインステージが中央にあり、放射状に6個サブステージがあるステージ構成だった。そのため、曲によってメンバーが見えたり見えなかったりする。基本目当てロックオンオタクなのだが、こればっかりはどうしようもない。ジェシーさんが見えない時は近くのサブステに来たメンバー2人をぼんやりと見ていた。どこかの曲のタイミングで双眼鏡越しに京本大我さんの顔面を消費していると、隣のサブステを歩いている森本慎太郎さんが視野内に入りこんだ。
森本慎太郎さんへの印象は、とにかくゴツイ。女児期に事務所を通らなかったので、天使と称されていた幼少期の森本慎太郎さんを私はリアルタイムで知らない。『ザ!鉄腕!DASH!!』で時々出演している姿を見かけるが、(きちんと作業をしてる証拠だというのは承知で)めちゃくちゃ小汚い。骨太な体格もあいまって、およそ20代とは思えない風格。TOKIOに混ざっても違和感がない。最後に見た時は日焼けした肌にくすんだ金色の髪、さらに髭を生やしていて、MC中にもそのオフショットを公開していた。ただ肉眼で実物を見てみると、映像から受けるような圧迫感のある体型ではなく、バランスの取れた筋肉質な男性ではあった。とはいえ、私の好みは鼻筋が通った出目の男である。神経質そうで陰の雰囲気があると尚よい。そういう意味で、太陽の象徴のような森本慎太郎さんは完全に好みではないのだ。
話を戻し、気が向いて彼を眺めていると、真っ先に服装へ目が行く。半袖の白Tシャツに膝丈の短パン。なぜかボディバッグ着用(中には水筒が入っている)。1人だけ中高生みたいな服装をさせられている。オープニングでは裏生地が蛍光グリーンの黒ロングコートを羽織っていて、翻すさまやそのシルエットがかっこよかったはずだが。どういうことやねんと思いつつ、下半身に目線を落としていくと、脚がやたらツヤツヤしている。すね毛がない。脱毛している!?とDASH出演時の姿からかけ離れた事実にとんでもない衝撃を覚えた。
そこからは、ことあるごとに森本慎太郎さんの状態を確認していたと思う。アリトロではおもむろに靴(なぜかパンプス)を片方脱ぎ出したかと思えば、笑顔で見せびらかしていたり、全員でデコトラに乗った時は頻繁にメンバーの顔を見ていたり。正直に言うと、かわいすぎる。どこに惹かれるかというと、本当に楽しそうな顔を見せるところだ。メンバーといるからなのかライブが楽しいのか、全力で純粋な笑顔で見ていて気持ちがいい。口がデカイのもいい。まぶしい。ライブの終盤、カメラに抜かれてモニターに映された笑顔があれから頭から離れない。終わった後、友人と食事をした際に「慎太郎さあ、かわいすぎない!?」と言いながら卓上に顔を突っ伏すという動作を思わず取ってしまった。まさか自分がそんな絵に描いたようなオタクしぐさをしてしまうとは。
好きかもしれないとそんなことを延々と考えている。今期ドラマで主演としてケーキ屋さんの役を演るらしい。オレンジのバンダナがかわいい。予告編にケーキ屋の入り口に立っているカットがあるのだが、扉との縮尺が合っていなくてかわいい。頻繁に肩をぶつけていそう。うーんかわいい。映像ものを継続して視聴することが苦手な私は果たしてこのパッションを抱えたまま完走することができるのだろうか。