趣味が欲しい。出来れば初心者でもそれなりに良い結果の出る、そんな易しい趣味が欲しい。
あまりにも都合が良い。しかし、結果が良い方向に出ねば、萎えるか飽きてしまう。とんでもねえな。
そんな気持ちを抱えながらインスタを流し見していたところ「捏ねずに作れる簡単カンパーニュ」という投稿に出会った。捏ねず且つ簡単という文字に惹かれ、レシピ動画を確認。不器用すぎて周囲の人間から呆れられ匙を投げられるおのれでも形になりそうだった。
「丁度スーパーに行く予定がある。その時に材料を買おう」
結論から言うと、記念すべき第一回は「形にはなったものの失敗」だった。食べられはするが、表面が焼けすぎてバリバリを通り越してボリボリ。
それがこちら。

切れ込みの入れ方も見よう見まね。
何なら下まで貫通している。
大雑把という言葉で片付けられぬほどに雑。
悔しかった。絶対に美味しいパンを焼いてやるぞの気持ちで2回目に挑んだ。気持ちに少し余裕が出て、生地の写真を撮ったので見て欲しい。



発酵させるために寝かされた生地のことを「可愛いちゃん」と呼んでいるのは、此処だけの話。その可愛いちゃんを、おのれの知らぬ間に家族が勝手につついていた話を又聞きした時に、寝盗られたときの気持ちを思い出した。とんでもないものを思い出さないで欲しい。
あと勝手に触らないでください(怒)
可愛いちゃんの話をすると早口オタクの如く語ってしまいそうなので、2回目に焼いたパンを見て欲しい。

大きい生地で焼かずに分裂させてみよう作戦を試みた結果、双子のパンが爆誕した。くっついていてとても仲良し。おのれの手によってすぐ引き離されるのですけれど。焼き時間を1回目より短くしたのもあり、程良い焼き加減になった。
ちいこくて、とても可愛い。パンは焼きたてがいちばん美味しいと思っているので、今回も焼きたてをちぎって食べました。慈悲など無い。ほんのり塩気を感じられて美味しかったです。(作文)
3回目は具入りに挑戦すべく、レーズンを生地にぶち込んでみた。余裕が無かったため焼き上がりと、ちぎった断面の写真しか存在しないが許して欲しい。


これがまた美味しいのなんの。もちろん焼きたてを食べました。慈悲など(以下略)
ほかほかふわふわ。レーズンの甘みと、ほんのりとした生地の塩気が最高すぎる。
レーズンパンが好物の人間がウキウキとしながら焼きたてを待っていたので、ここぞとばかりにドヤ顔で渡した。お気に召したのか、その日のうちに材料を渡されて「また作って欲しい」と言われたのが嬉しかった。
いっぱい作るから、いっぱい食べて。
「たまには作らない日があっても良いよね」の気持ちで静かに食後のお茶を啜りながらほこほこしていた。
お仕事から帰ってきた家族が「今日のパンは無いの?」と少し残念そうに言うので、求められちゃあ仕方ねえな!とさっき生地を仕込んできた。おのれながらちょろすぎる。
複数のレシピを保存してあるゆえ、色々挑戦してみたい。レーズンだけでなく、ドライフルーツ、クルミ、クリームチーズなど入れてみたいものも沢山ある。凝れば凝るだけお財布が悲鳴をあげる気配を感じつつ、知らぬ存ぜぬを貫いていく。
納得のいく出来になってきたら、祖母に食べてもらう約束をしている。たくさん作って、自信が持てるよう経験を積んで、食べたときに美味しいと笑顔になってもらえる、そんなパンを作れるようになりたい。
気分は修行中のパン職人である。