私はアロマンティックでアセクシュアルなので、好きな人、と言ってもキャラクターの話だ。ゲームの。そして、その「好き」は恋愛的な意味ではない。と思う…
そのキャラクターというのは、アンジェリークという1994年に発売された女性向け恋愛シミュレーションゲームの攻略対象で、水の守護聖リュミエール様。守護聖には敬称の「様」を付けてしまう。ちょっと考えたけどどうも呼び捨てはできなかった。これを読む人の中にはどんなキャラクターか知らない人もいるかもしれないので、公式サイトのリンクを貼っておく。文字化けしてるけど…。ていうか、検索して出てきたけどいつのサイトだ?00年代なのは間違いない。何気なく左上にあるBACKの文字を押したら変な声が出てしまった。本当にいつの時代のホームページだ!??すごいなコーエー…。私はパソコンから確認してるけど、スマホからもちゃんと見えてるんだろうか…?
ともかく、私はリュミエール様を2000年ごろから、「萌え」とか「嫁」とか「推し」とかそういう言葉の変遷を経て、結局どの言葉もしっくりこないまま20年ほど、なんかずっと…好きだなあ…って思ってる。公式の動きが活発なジャンルではなくなったので、常にその作品そのキャラクターのことを考えてるわけではないんだけども、折に触れては過去の様々な派生作品を定期的に啜っては思いを馳せている。特別なキャラだなあ…と思う。
カップリング二次創作をやったこともあったし、別にリュミエール様が恋愛しててもいいかなとは思う(まあAlloロマであることは否定しない…)んだけど、そもそも、私はリュミエール様を「男性」だと思ってない気がする…。「男性表象」であることはわかっている。でも、山田よね(虎に翼)が「多様な女性表象のひとつ」とは言えたとしても「女性」ではなかったように、私はリュミエール様を「男性」だと思ってない…ような気がする…。ということに気づいた。
こういうのは言語化できるかどうか、その概念をどう認識してるかということに左右されてしまうと思うんだけど、そのキャラを「男性」と思っていないのに、カップリング→恋愛→セックスというひとつながりに放り込んでしまっていたのはよくなかった気がする。出会ったのが2000年ごろで、そのとき私は10代で、二次創作とは何か、同人活動がどういうものでどう付き合っていくべきか、確固たる考えがあったわけじゃない。そのままずるずると当時の社会通念を受け入れる形で創作活動をしていたように思う。恋愛や性愛ではない二人の触れ合いとか、一人の内省的な話とか、そういうものを考えるときもあったけど、どういう手つきでそれを二次創作にしたらいいのかわからず、女性向けはやっぱりカップリングものじゃないとみたいな活動の仕方になってしまっていたんだなと思い返す…。まあ今でもどうやったらいいのかはよくわからないけど。
でも、キャラクターを好きであるという気持ちと二次創作をすることは今でもゆるやかに繋がっているし、20年同じキャラクターを好きだなーって思うことを繰り返しているんだから、その時々で振り返ったり問い直したりしていけたらいいなと思う。
ところで、アンジェリークという作品は女性向け恋愛シミュレーションゲームで、登場するキャラクターはまあ恋愛してその相手は異性になるんだけど、本編以前の物語として語られるCDドラマは恋愛が掲げられるゲーム本編とは趣が違っていて。リュミエール様は過去の世界で出会った少年と友達になって、悲壮な運命を辿るその少年とたった二人でこの土地に残ります!と宣言する。宇宙を構成する9人の守護聖のひとりなのに、でもこの子のために全部捨てます!って言えるところが見れる世界観だったの助かるな。恋愛する人が恋愛中心じゃなく、恋愛ではないことに、全てを懸けたいと言える物語もっと見たいです。
90年代の作品、「澄んだ水の流れのような、美しい人」「二度と会えないけれど、俺たちの魂はひとつなんだ」ということを男性同士で恋愛ではないうえで、これを照れずに真面目に自然に表現できてたのはすごいと思うんだよね…。まあ90年代の作品はそれ以外の問題が山盛りだったりもするんだけど…。
そんなこんなでアンジェリークという作品やリュミエール様が好きだな~って気持ちを出力したいなと思ってひさしぶりにイラストを描いてみたのを置いておくためにここに登録して文章を書いてみました。イラスト投稿サイトに投稿し直すと思うのでその時にはここのイラストは消すかもしれないけど…。手癖で描くと私はやっぱり由羅さんの影響を受けてるな~と思う…。アンジェリークの絵を描くときに90年代~の匂いを消したくないよね…という気持ち。