うまいかまずいか

okunokentaro
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昨晩、同業者同士が集まるホームパーティ的なものに参加してきた。ホームといってもレンタルスペースで、リビングダイニングを模した会場である。

そこで手料理が振舞われることになった。調理を担当するのは @sadnessOjisan だ。

彼は料理下手を自称しているため、まあ言及してもよいとは思うが、最初はあまりにも見ていて不安だった。

これを見て、まずいにも複数段階あるなというのが学びとしてあった。ひとつは焦がしてしまい炭化させ食品から遠ざかってしまったもの。これは幸い昨日はなかった。これを回避したらあとは「なんとか食えはする」状態だ。

もうひとつのまずいは、手順と構成要素の無視である。例えば生肉は、加熱をすることで殺菌、寄生虫を死滅させ安全に食せるようにするだけでなく、メイラード反応によるアミノ酸や糖の旨みへの変容を目的としている。だから原則的に生肉のままは避けるのだ。リスクの低減だけでなく、うまみが増すことが歴史上学ばれている。

そんな感じで、この食材はこの段階で入れるべきという順序がある。料理のさしすせそ然りだ。そして順序には理由がある。「まずい」を生み出す多くの場合、それらは無視されるという学びがあった。

プログラマの怠惰は美徳とされるが、料理において手順をすべて無視し「混ざれば一緒、加熱されれば一緒」という怠惰はまずさに直結する。料理のうまさの引き出し方というのは、いわばストリームにおけるパイプ処理であり、そのパイプの結合順によって決まる不可逆な操作による出力であるからだ。

こういった考え方をするかしないかは、完成度に大きな影響を与える。開発職の人間にて、とにかく料理がうまいタイプと、とにかく料理が下手なタイプに二極化する理由が、少し垣間見えた。

ちなみにこの会の終盤で振る舞われた料理は1皿目に比べて格段においしくなっており、手順や分量という変数や処理順の重要性が伝わったことだろう。

@okunokentaro
京都生まれで東京在住。様々なWebアプリケーションを開発し続けて10年。すきなものをすきと言っていたい。