いつまでが新参者だったんだろう

okunokentaro
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自分は10年前、26歳の時にそれまで音楽業界にいたところからWeb系の企業に転職してここまできたんだけど、10年前の当時はカンファレンスで登壇したりしつつも「自分は異業種から来た新参者で何もわかってないんで…」って感じで遠慮しながら細々とやってきていた。

そのマインドは転職後も以後数年続けていたんだけど、あるとき「お前より経験の浅い若い人はいっぱいいるんだから、その態度を続けるのはよくないよ」って先輩開発者に忠告されて考えを改め、堂々とするようになったというのがある。

初期はカンファレンスに登壇したり、イベントの運営スタッフしたり、技術記事書いてバズったりしても「いうて元は別業種からの転職だし素人の書いたものなんだよなぁ」というコンプレックスを長い間持ってたんだが、ちゃんとWebアプリケーション・アーキテクトという職業として他社の技術顧問を引き受けるほどにマインドが整ったのは、実は割と最近の話。

音楽業界の「プロ」のハードルが絶望的に高く、それをみて育ったため、自分が自分のことをプロって名乗る後ろめたさが呪いのように何年も続いていた。さすがに10年この業界いると音楽業界の在籍期間(7年)よりも長いわけで、さすがにプロと名乗ろうかと思う。

この呪いを引きずってたらたぶんリファラジでリファクタリングなんて語ってないよな、とふと思った。

音楽業界の「5年10年やってる程度ではプロ名乗れない感」はすごくて、これはこっちに転職しても相当引きずっていたものだ。ずっと素人のつもりでいた。

「プロピアニストは家で12時間練習する」みたいなのが自分のマインドセットとして「常識」だったから、Web業界に転職するとき、毎日12時間はコード書くみたいなことを本気でやっていたんだけど、転職してみたら周りそんなことしてる人は全然いなかった。なんなら仕事以外でコードを書いてない人もいた。ちょっとカルチャーショックを受けた。仕事でやってんのに仕事外で練習しないなんてあり得ないな?という驚きは、音楽業界しか見ていない世間知らずだったからこそだと今では思う。

これが、自分がWeb転職後の1年目2年目でカンファレンスの登壇をひたすら繰り返してたバックボーンのひとつです。

@okunokentaro
京都生まれで東京在住。様々なWebアプリケーションを開発し続けて10年。すきなものをすきと言っていたい。