調理器具の作法

okunokentaro
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ここ、しずかなインターネットに自炊ネタをひたすら書いているわけだが、料理は不得意か得意かでいうと明らかに得意な方だと思う。自分のバックボーンにはその片鱗が実はある。

高校時代のバイト先は某ファミリーレストランのキッチンだった。面接でホールかキッチンか選べたが、当時は今以上に「ホールは女性が務めるもの」だったため、自然とキッチンになった。そこでまあ、来る日も来る日も2時間以上の皿洗いを続けたわけだが、勤めて2ヶ月くらいで少しずつキッチンに立たせてもらうことも増えた。

当時の他のチェーンや、2023年現在のファミレスの多くがどうなっているかは知らないが、当時自分が勤めていた先は割と冷凍食品の解凍だけではなかった。調理の工程があった。

野菜は箱入りで野菜として入荷したし、キャベツは千切り済みだった気がするが、レタスは1玉で入荷していた。精肉はさすがに冷凍だが、調理済みではなかった。なので野菜も果物も精肉も、カットの工程があった。

自分の包丁の腕は、ほぼそこで基礎を身につけている。実家の台所でいわゆる「お手伝い」をしたことはあれど、毎日包丁を握り他人に食事を提供する経験はさすがにバイトが初だ。まな板の扱いや、ダスターの扱いなども全て教わったし、鉄板の温度やフライヤーの油の温度も全て教わった。今思えば、割とちゃんと調理工程のあるチェーンだった。

バイトの先輩に頭をしばかれ、社員には怒鳴られ、今思えばパワハラスレスレなこともあったし、20連勤というなかなかにブラックな働き方をよくやったなと思うが、振り返ってみると悪くない思い出だ。ちなみにこの話は20年以上前であるが、その時のバイト先はまだ潰れてない。

そしてその時にバイト代を貯めて頑張って買った15万円のiMac G5のことは、今でもよく覚えている。自分の金で初めて買った自分だけのMacだ。

@okunokentaro
京都生まれで東京在住。様々なWebアプリケーションを開発し続けて10年。すきなものをすきと言っていたい。