脱出失敗

okunokentaro
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ネタバレ回避のため企画名を伏せるが、リアル脱出ゲームに参加してきた。Web上の謎解き企画はいくつも解いたことあるが、専門店でのリアル脱出ゲーム参加は初である。

結果は、失敗。しかしその失敗っぷりが絶妙で、制限時間があと3分多ければ解けていた気がする。それくらい絶妙。善戦しつつ、最終問題の途中まで行きつつ、それでも失敗。

おそらくこれは作問家、レベルデザイナーの狙い通りの結果になっていることと思う。

思えば、最初の方の問題はサクサク解けつつ、途中にかなり頭と手間を使う問題があり「このペースだと最終問題にすら辿り着けないぞ!」と焦っていたら、最後の少し手前の問題は難しいなりにサクサクと連続正解できるようになっており、ギリギリ時間内に最終問題に到達という時間配分だった。

だが、最後の最後であと3分欲しくなる時間の足りなさ。

おそらく空気感への馴染み、解答を導く歯応え、チーム連携の楽しさ、難問を解くカタルシス、焦り、安堵、困惑、悔しさという要素を各問題、各時間帯に配分しそれらで制限時間一杯のバランスを緻密に構築しているように思われる。

クリアできない悔しさよりも、仕掛けの壮大さに対する驚愕が上回り、失敗したにも関わらず爽快感を得られる。理不尽さよりも納得が上回る伏線の数々。きっとデザイナーの狙い通りに我々は動いている。

脱出ゲームとしては失敗だったが、これは非常に学びが大きかった。UI/UXをどうさせるべきか、チュートリアルはどうあるべきかという哲学を学ぶ場だったからだ。

まあこんなことを考えながら参加している者は珍しいだろうが。最終問題を考えた作問家の脳内を本当に覗いてみたい。

@okunokentaro
京都生まれで東京在住。様々なWebアプリケーションを開発し続けて10年。すきなものをすきと言っていたい。