信頼の力と監修の力

okunokentaro
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QuizKnockである。

私はこのYouTubeチャンネルを気に入っており、ほぼ毎日好んで観ている。番組内で表される思想、哲学、演出の細部において私の美意識と共鳴する部分が多いからである。

そのチャンネルから、メイキング・ドキュメンタリーが公開された。

このチャンネルが他のグループ系YouTuberと体制が異なることは察していたが、ここまで大規模な制作組織であることは知らなかった。伊沢氏が会社を立ち上げていたことまでは知っていたが、まさかこれほどまでの組織だったとは。

本記事を書くためにある程度裏取りをしていたところ、株式会社QuizKnockとは別に株式会社batonというものがあるそうだ。出演メンバーも制作スタッフたちもbaton社の従業員として在籍しており、baton社が組織的にQuizKnock動画を制作していたということも初めて知った。なお、baton社自体は特にドキュメンタリーでは触れられていない。

私はこのドキュメンタリーに特に感銘を受けた。もともと番組自体が好きだったこともあるが、制作背景にある作問チーム、校正校閲裏取りのスタッフ、動画編集のチーム、ふくら氏、河村氏を筆頭としたプロデューサー陣、これらの人々の組織的な連携でひとつの番組が出来上がっていることに大層感心した。

ドキュメンタリーにおいては、マネージメントの妙を感じる節々がいくつもあり、スタッフとプロデューサーの信頼関係、思いやり、合理的な取捨選択といった、人間くさくもありシステマティックでもある「組織の機微」を知ることができた。

特に信頼と監修という2概念は組織の原動力であると私は信じている。

尊敬するゲームクリエイター、スマブラの桜井政博氏の動画でも感じたが、組織として活動する中で、信頼は最重要であると思うと同時に、監修もまた必要なのである。

否定、ダメ出し、ケチつけと監修は大きく異なる。自分は監修をするとき、人格ではなく物事を見るように特に注意しているつもりだ。人格に指摘をすると1対1になってしまう。そうではなく組織として特定の目標に向かって進むための意見として「第三の物事」を置き、その物事ついての善し悪しを述べなくてはならないと常々注意している。

自分は割と小規模な組織に属していた経験が長いため、決して社会経験に長けている方とは思っておらず、こうした他組織の事例をリアルに知ることができる機会は大変貴重だ。そしてまた、こういった側面からも学びがあるのがQuizKnockの魅力でもある。

@okunokentaro
京都生まれで東京在住。様々なWebアプリケーションを開発し続けて10年。すきなものをすきと言っていたい。