「包みは紙袋でよろしかったですか」

okunokentaro
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とある食品店で若い店員にそう尋ねられた。手渡しは手提げの紙袋だが、そうではなく食品の個包装についての確認の文脈だ。

おそらく大多数の人間はこう言う。「はい」

私はこう返してしまった。「ここで断った場合包装は何になるんですか?」

若い店員は言葉に詰まり俯いてしまい焦りだしてしまった。すまない、意地悪をする気は本当になかったんだ。ただ、紙袋以外の選択肢を問うているのであれば、判断材料をいただきたかっただけである。

ここは、おそらく文意としては「紙袋を使って包装します」という注釈の伝達だったのだろう。おそらく無言で包んで、そのまま手提げの紙袋に入れられても特に何も思わないだろう場面だ。そこで、おそらくこの店員なりの配慮というか、店員自身のアクションに対しての断りとして、いまから紙袋で個包装するぞという表明を客に対してやっておきたかったのだろう。マニュアルなのか、店内のトーンと裁量によるものなのかはわからない。

そこでの「よろしかったですか?」という疑問調に対して私は「はい」だけでなく「いいえ」の選択肢を考慮し判断に迷ってしまったのだ。明らかに職業病の悪い癖である。もしこれがダイアログGUIであればボタンはYes / NoではなくDismissと出てくる場面だっただろう。

面倒くさい客だと思わせてしまったなら申し訳ない。焦り出す店員を目にして、やってしまったと反省した。

ちなみに紙での個包装以外の選択肢は無さげであった。日本語もコミュニケーションも、難しいね…。

@okunokentaro
京都生まれで東京在住。様々なWebアプリケーションを開発し続けて10年。すきなものをすきと言っていたい。