2023年を振り返る

okunokentaro
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定番の振り返りをしたいと思う。写真は今年1年を象徴する圧倒的な一枚、京都祇園祭の山鉾巡行だ。

各月の振り返りは冗長なので手元の日記に留めるが、全体的に攻めの一年ではなく守りの一年になったと思う。これは意図的で、攻めの手を打たない代わりに、あらゆる時間や金銭をとにかく趣味に投入するという狙いを持ってやっていた。今年一年、そういった動きを維持することでどういう体験が得られるかを検証したという思惑だ。

結果としては一長一短だったと思うが、とはいえ全体的にはプラスな一年だ。趣味イコール職業にしてしまった私は、開発業務も技術系トピックでの登壇も、趣味でありながら仕事に結びつけるという一石二鳥なアプローチでここまでひたすら走ってきた。おかげさまで、絶えず仕事をいただけている。

しかし、それを抜きにすると自分の趣味と言えるものは何か?自分の人生においての楽しみとはなんだ?という点で曇ってしまったのが、ここ数年の悩みだ。特にコロナの一連は響いた。おかげさまで業務は滞ることなかったが、自分の生き方というのは見直す必要があると感じた。

仮に今後プログラミングが困難な状況に陥ったとき自分が生き甲斐と言えるものは他にあるのだろうか?その不安から、2023年はとにかく可処分時間と可処分所得を趣味に全て注ぐようにした。結果的に技術記事の掲載も技術登壇もかなり減ったし、久々に会う友人には「奥野さん最近Webでの存在感薄いですね」と言われる始末だ。この動きをしているので当然ではある。

さて、幸いコロナが5類指定になったこともあり、旅行にはとにかくたくさん行った。この内容は逐一Xに呟いていないし、まだ今年の11月まではしずかなインターネットもなかったためほぼ誰にも話していないが、実はかなり行っている。関東近郊や静岡も多いが、関西も今まで寄ったことのない街に意図的に出向き、今年はコロナが落ち着いたことで、ようやく九州も回れた。鹿児島県と宮崎県に至っては初めて訪れた。

旅行を増やしたのは、今後自身が暇になるかもっと忙しくなるかはわからないが、とにかく行けるうちに、そして行こうというモチベーションが湧いたうちになんでも行ってしまおうという狙いによるものだ。なにげに毎月3回程は、旅行か日帰りの近郊散策をしている。iPhoneでわかる年間平均歩数も、ここ5年で最高だった。ちなみに最低平均歩数は当然のように2020年である。

技術的なキャッチアップやインプットも減らし気味だった。これも意図的である。今自分が蓄えてきた経験でどの程度走れるかテストしていた側面がある。結果的に、一年間は十分走れたがいずれ尽きそうという弱点を把握し、今後自分はどういった伸ばし方をすべきか見直すことができた。具体的にはNext.js AppRouterに一年中振り回された。

技術コミットについては2023年末から放送開始したリファラジなどを伏線として、今後回収していきたい。毎週配信というある種の義務感は、インプット量とアウトプット量の底上げに繋がっていると感じる。

あとは、よくもわるくもイーロン・マスク氏に振り回された年だ。Twitter API有料化は大変な痛手であったし、Xへの改称騒動で自分のツイート・モチベーション(文字で行動を言語化したい気持ち)は大きく削がれることになった。避難所としてBlueskyを備えておいたことでまれにそこで呟くことはあったが、全体的には発言が減り、一人で楽しみ一人でどう感じるかという感情が研ぎ澄まされた。

そこからの『しずかなインターネット』の登場は、まさに渡りに船だったと感じる。

自分の言語化欲求の高まりとツイート・モチベーションの低下をうまく吸収してくれた。X改称騒動以降という、本当に奇跡的なタイミングでのサービスリリースだったと思う。そして、ここに書くようになったこともあってか、自炊の腕は大幅に向上した。今年の1月ごろの自炊の写真と見比べても明らかだった。

2023年は守りに徹したことで、2024年は攻めの年にしようと計画している。人生が変わるような出来事も起こすつもりだ。とはいえ、全体的なプランとしては、開発者一辺倒ではなく満遍なくこの人生を楽しんでいきたいと考えている。やはり自分には開発職が天職であるため、これを継続しながらあらゆるプレゼンスを高めて楽しくやっていく。それが2024年の走り方だ。

@okunokentaro
京都生まれで東京在住。様々なWebアプリケーションを開発し続けて10年。すきなものをすきと言っていたい。