混ぜるとうまい

okunokentaro
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ドライカレーである。

酒のつまみに買っておいた小分けナッツが、まだ何袋かあるのに賞味期限をいくらか過ぎている。味見して、まあ食えないことはないが…油分の痛みを察したので、一斉に使い切りたい。

フードプロセッサーでミックスナッツを砕く。アーモンド、カシューナッツ、くるみだ。やりすぎると粉末になるので、適度に。

そしてスパイス類を手配。クミン、コリアンダー、オールスパイス、クローブ、ターメリック、パプリカパウダー、カイエンペッパー、黒コショウを、なんかいい感じの量混ぜる。あとで使う野菜の量から逆算した分量で。

カルダモン、ナツメグ、シナモンはやや少なめに。好みではあるが私は多いと主張が激しいと感じるため減らす。逆に、クミンとコリアンダーは主役級に使ってよい。

この辺のスパイスは引き出しに一通り入っている。肉を焼く際などに気分で使い分けると、台所に居ながら様々な国や地域に飛べるため楽しい。どの国はどういうスパイスを使うか知ると、なお楽しい。

水気のないフライパンでナッツを空炒りする。やりすぎると苦味が出るので、香ばしさをまとわせる程度に。皿に逃し鍋の油分を拭き取り、続いてスパイス類を空炒り。これは不要派もいるが、私は1分少々火を通して全体の香りが馴染む感じが好きだ。やりすぎると酸化するため1分が限度。

野菜の下処理に進む。玉ねぎ2玉、これは水を使わないため。そしてにんじん1本、ピーマン3個、この前のきのこ鍋で余らせておいたエノキ、これらを全てフードプロセッサーでみじん切りに。野菜は加熱具合を変えるため分けて処理する。フードプロセッサーは便利だ、一瞬でみじん切りになる。続いて、ニンニク2片、生姜はあるだけおろす。チューブでもいいが、冷蔵庫の整理を兼ねて。

深めの鍋でオリーブオイルを温め、おろしたニンニク、生姜を炒める。いい香りがし始めたら刻んだ玉ねぎを全量加える。モッタリした感じになるので、全体混ぜつつ玉ねぎが飴色手前になるまで加熱。この時点でカレーの香りになる。カレーは玉ねぎと生姜の要素が強いのだとわかる。

にんじんを加えて加熱しながらよく混ぜ、ピーマン、エノキを加える。だいぶ嵩が出てくるが一旦野菜をフライパンの脇に寄せ、空いたスペースで豚ひき肉200gを炒める。ここで、豚ひき肉にだけ少し強めに塩。

ある程度ひき肉に焦げ目がついたら、まだ赤い肉が残っていつつも野菜全体とよく混ぜる。そして蓋をして、中火で数分蒸し焼き。

ソースを作る。トマトペーストをいい感じの量、お好み焼きソースをその半分、それらを伸ばせる程度の赤ワインを加えてよく混ぜる。

蓋をして加熱された玉ねぎからは大量の水分が出るため、全ての具材が蒸されてしんなりとしてくる。先ほどのソースを加え、全体に塩、味を見ながら粉末コンソメ。混ざったら砕いたナッツ、そしてブレンドしたスパイスを投入。また味を見ながら少しライムジュース。

しっかり混ぜ、また蓋をして5分。ここで炒めすぎると焦げつき始めるため、弱火でじわじわと。

全体がよくまとまったら、ごはんを平らに盛り、そこにドライカレーをがっつり盛って、雰囲気にイタリアンパセリ。中央に卵黄。これは見栄えのためだが、食べる直前には分けた白身も全て加える予定なので、捨てずにおく。

ビールは苦めのIPA。ドライカレーは黄身も白身も米も一緒に全て混ぜて、かきこむ。うますぎる。

水を使わず玉ねぎの水分を元に作っているため野菜の旨みが濃厚、そして力強い香ばしさにピリリと辛みが。コリコリとしたナッツの食感も仕事をしている。カロリーについては今日限りは無視するしかない。

@okunokentaro
京都生まれで東京在住。様々なWebアプリケーションを開発し続けて10年。すきなものをすきと言っていたい。