いろいろあるんだろうな

oll_rinkrank
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いま検討されている共同親権の導入について賛否があるようだ。

知人の親族の話であって特にこれが典型というわけでもないのだが、自分の知っている一例を挙げておこう。

あるところに二十歳そこそこで若くして結婚し、二人の子供をもうけた夫婦があったが、ふたりは第二子がまだ二歳になるまえに協議離婚をしたという。互いに法や倫理に反するような行為があったわけではなく、世間にもよく聞く「感覚のズレ」ということだったらしい。二人の子供の親権は父親が持つことになり、母親は子供に面会する権利も得ていた。

一年くらい後に母親は別の男性と再婚し、まもなく出産したという。その後も子供たちは月に一度、母親との面会を続けているそうだが(そういう状況であっても子供たちは母親に会いたくて仕方ないようだ)、母親側から父親への養育費の支払いは無い。もちろん事前に話し合ったうえでそうなったのかもしれないが、たとえ払うことになっていたとしても実際そのとおりにするのは無理だろう。支払い義務を負うことになれば、(彼女のように)自由に恋愛をして再婚し、再婚相手と子供をもうけることは、よほどの資産家であるか、あるいは「特殊なビジネスの才能」がなければ難しいと思う。

巷の声を聞くと、共同親権を語る前に養育費を払わずバックレるDV男を法律でなんとかしろという厳しい意見も多くみられ、まあ確かにそのようなロクでもない男たちも世間には多いのだろうなとは思うのだが、状況は「(上記例のように)ひとそれぞれ」であるようにも思うので、導入に賛成であれ反対であれ、一例をもって画一的に何かを決めるようなことは拙速な判断ではあると思うので、視野を広くもつためにも、互いにむしろ「自分の知らない例」を見聞きする努力をしたほうが良いと思う次第であった。