2023-11-22

omnivorous
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昨日今日と、11月にしてはかなり暖かい日が続いている。明日までは暖かく、明後日からはまた寒くなるとか。着る服に困る。

自己研鑽という言葉を生成AIに聞いてみるとこんな回答が返ってくる。

《自分自身を鍛えてスキルや知識に磨きをかけることです。学問や研究など、自分が得意とするジャンルを深く極め、自身の向上を促すこと》

まあ当たり障りのないというか、かなり無難な、誰に聞いてもそう言うよね、って感じの回答だが、じゃあその費用は? となるとちょっと厄介なことになる。

ウチの職場、ワンマン理事長が君臨しているころは、学会出張など自己研鑽の費用をなかなか出してもらえなかった。その後理事長が変わって、徐々に体制が変わってくると、自己研鑽への考え方も変化してきて、いまではかなりの予算をつけてくれている。みんな気兼ねなく学会や研修会に出席しやすくなったのはとてもいいことだと思っていた。思っていたのに。

10月から着任した院長は、どちらかというと前の理事長と似たタイプのようで、聞くところによると、自己研鑽なんだから自分で負担するのが当然でしょ? と言わんばかりに予算を削ろうとしているらしい。病院経営的な観点から言えば、そういう「無駄な費用」は削りたいと思うのもまあわからなくはない。でも、これは本当に無駄なのだろうか。自己研鑽の費用は自分で賄うというのは普通の考え方なのだろうか。

病院というところは(というかどんな職場もそうだと思うが)、医師を始めとした専門職の集まりで、それぞれが持てる知識や技術を存分に発揮することで初めてその機能が保たれる。医師だけがよくてもだめ、看護師だけが優れていてもだめなのである。スタッフには、常に最新の知識や技術を身につけようとする努力が求められるわけで、職場はそれを後押しする環境を提供する義務があると私は考えている。よい医療を提供するためには、そのくらい当たり前じゃないかと思うのである。

もともとウチは給料がそんなに高いほうではないし、昇給もそう大きくは望めない。いまは物価も高いし、たとえ贅沢をしていなくとも、もらった給料から自己研鑽の費用を捻出するのも難しいスタッフがたくさんいるはず。そんななかで、ようやく組んでもらえた自己研鑽のための予算が削られるとなると、おそらくスタッフの学会出席頻度は減るだろうし、自己研鑽促進の機運も縮小するだろう。それは長い目で見れば、病院が提供する医療の質の低下につながっていく。目の前の収益が上がればよしとするのか、もっと長い目で病院の価値を高めていこうとするのか、新院長の舵取り次第だと思うのだが、いまはどうもあんまり期待できそうにない雰囲気だ。

自己研鑽は自己責任で、そんな考えはすぐにでも改めてもらいたいと思うのだがさて。

缶ビール350ml一本、焼酎一合。

@omnivorous
福岡在住。日記を書く人です。