2024-03-06

omnivorous
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地下鉄の改札を出ると、袴姿の学生と思しき女性二人が並んで歩いているのを見かけた。おそらく卒業式なのだろう。そういう時期ですね。

電話で自分の名前を告げるとき、漢字ではどう書くのかと聞かれることがある。おそらく誰もが経験していることだろう。電話じゃなく面と向かって聞かれることもあるけれど、そのときは紙などに書いて説明すればいい。問題は電話で聞かれたときだ。

電話で、あなたの名前は漢字でどう書くのかと聞かれたらどう答えるか。みんなそれなりにうまく説明するのだと思うけど、時に、これはどう説明すればいいんだろうと考え込んでしまう漢字がある。私の名前には「郎」という漢字が入っているのだけど、これを説明するのに適切な言葉がなかなか思い浮かばない。私は消去法的に「月じゃないほう」と説明するようにしていて、これでほとんどの人はわかってもらえるのだが、たまに「え?」と聞き返されるときもあって、そうなるとうまい説明が思いつかない。「北島三郎の郎です」などと、あんまり説明になっていないような返答でお茶を濁したりしている。まあ通じればそれでいいんだけど、北島三郎を知らない人には通じない。

家人の職場の人に「亮」という字を持つ人がいて、その人は、「亮」を説明するときに「売るという字に口(くち)が入ったようなやつ」と説明しているらしい。でも「売」と「亮」はまったく違うので、このような説明では「亮」にたどり着けない人も多いんじゃないかと思う。じゃあどう言えばいいのか。「諸葛亮の亮」とか、「鈴木亮平の亮」とか。たぶんそんな説明をしている人がほとんどだろう。でもそれが通じない場合はどうするのか。諸葛亮も鈴木亮平も知らない人に、「亮」をどう説明すればいいのだろうか。

漢字に限らず、ある語を別の言葉で説明するというのはなかなか難しい。最近、ドラマ『舟を編む』を見ているからか、語をどう説明するか、いわゆる語釈についてあれこれと考えてしまうようになった。別に私が辞書を作るわけではないので、考えても意味などなんにもないのだけど。

@omnivorous
福岡在住。日記を書く人です。