世界とクオリティと

樋口 叶
·

今に始まった話ではないのだが、最近世界的に何においても高クオリティを求めすぎでは?なんて樋口は思います。

もちろんそうなった理由は明白で、昔以上にネットというものによって、影にいた才能がある人が現れたり、それらを支援や拡散する人が沢山増えて高クオリティというものが我々にとってとても身近なものになったからです。それとともにその技術を教える人も身近になり、我々の生活ではもうコスパ良しで高クオリティが当たり前になりました。

今までその分野だけで知られるような知識たちがその分野に関係ない人たちにも知られるようになったものの、やはり分野の知識は膨大。浅く軽くしか当然知られない結果、その高クオリティ作品が当たり前で、元はそんなにクオリティを求めてなくても『そこまでしないと失礼』という高ハードルが普及し、色んなものが手をつけづらい世の中…にもなっている気がします。

なんかそんな壮大な話をしていますが、本題はそんな難しい話ではなく、単純に「今日作業していたTRPGの立ち絵作業疲れた〜!」という話です。てへっ。

今やTRPGのプレイ動画がYouTubeなどのネット動画として配信されたり、TRPGをやりやすいサイトで使えるキャラクター・背景素材がBOOTHなどで売られていたりとまるで立ち絵付きのノベルゲームのようにキャラクターを演じたり、キャラクターの設定背景があったり、キャラクターの表情が変わったり、1枚絵やカットインなどがあるような高クオリティなTRPGが普及しています。

しかし元々はというと、そんなことは一切しなくてもよくて、ダイス結果で出たステータスに合わせた自分のキャラを作り、自分だったらどう行動するかをする遊びです。簡単に例えると、有名ゲームの『どうぶつの森』や『牧場物語』のようなちょっとの容姿設定だけを与えられたキャラクターを自分の好きなように動かすだけのゲームなのです。

しかし、いつしかそんなTRPGたちも進化を続け、キャラクターになりきるのが好きな人やキャラクターデザインをするのが好きな人……そんな深く作りこみたい人たちによって大きなものが作られ、それに憧れた多くの人によっていつしか動画にしたり、専用サイトで遊ぶために一つの作品として高クオリティになっていきました。

もちろん、それが悪いこととは思いません。向上心を悪といえば何もできませんから。ただ、無理にそうしようとかそうしないといけないという考えに固着するのは違うなぁと思います。

今の私は例によってキャラクターの立ち絵や表情差分の線画をしていたわけですが……楽しいけどめちゃくちゃ疲れる!!!!!

創作企画ガッツリ期の後半でも思ったんですけど、立ち絵や設定、はたまたそれを動かしたらもうゲームやないか!!何故それがあたかも最低ラインみたいな評価だし、引っ込み気味なんですか!?

……失礼しました、脱線しました。

疲れはしますけど、自分が出来る最大限のクオリティを作り上げるのって楽しいですよね。世界は色々言うかもしれませんが、世界の意見は程々に聞いて、出したいものや出来るものをのんびりと出せたらいいと思います。

なんか「作業疲れた!」と叫んだらなんとなく疲れがマシになった気がするのでもうちょっと頑張ってきます。

そうそう、TRPGは前にも話したCoCがとても有名で、TRPG=CoCと勘違いする人も多いですが、そうではなく他にも平和よりのものや逆にもっとゴアなものもありますし、やる分には専用のルールブックとダイスアプリ、紙やペンがあれば最低限はできますし、初回なら値段が高いルールブックには目をつぶってくれるゲームマスター(進行者)もいますので気になる人はやってみてくださいね。

クオリティの高いものってやるのは難しいけど、見る側はとてもワクワクしますよね。しかし、それはには作者の膨大な努力たちが込められています。なので敬意を持ちつつ、出来る限り楽しんであげたいです。それがその人にとって良いものか悪いものかは別次元の話ですが、それとは別に心を込めて。

@onihime0429
素直になれない自分へ送る、素直になるちょっとした努力を。 普段はMisskeyDesignにいるよ (misskey.design/@onihime0429)