歌が好きだ。
音楽が好きだし、歌うことが好きだ。
きっと物心つく前から歌っていたと思う。
歌うことは私にとってとても当たり前なことだったけど、どうやらそうではないらしい。
「どうしてお歌を歌うの?」
こどもにそうきかれた。
正直当たり前のことすぎて、答えが見つからなかった。
楽しいから?うーん、しっくりこない。
楽しいよりももっと根っこのところが癒される気がする。
そして今日、ふと、気づいた。
歌は、呼吸なんだと思う。
心の話でもあるけどそうじゃなくて…
人間がリラックスできる呼吸は、短い時間で吸い、時間をかけて吐く方法らしい。歌はそれなのだ。リズムに乗って、短く吸い、時間をかけて声をのせて音を乗せて息を吐く。それを、3分とか5分とか、繰り返す。
それはとても人間にとって体が整う時間なんだと思う。言葉がなくても歌って踊ってきたのはそういうことなのかな。
私はそれが子供の頃から心地よく、なにより緊張感のある家で生活していた私にとって、体をほぐすための体操のようなものだったのだと思う。
私は今日も歌った。
自分の声は、嫌いではないけど、もっと違ったらよかったな、と思う。
だけど、私の声は聞く人にとって「気持ちよさそう」らしい。
「あなたは本当に気持ちよさそうに歌うね」と、言ってもらったことがある。
私は気持ちよさそうに歌う人が好きなので、その言葉は良い意味に受け取った。
歌うことは難しいけど気持ちがいい、気分がいい。呼吸にリズムがついてたら、心地のいいメロディーに、素敵な言葉がのっていたら…それはとても、いい物だ。生きるのに必要な呼吸が、そんなにすてきだったらわたしはとても嬉しい。だから歌うのだと思う。誰も聞いていなくても。
あなたも、すてきな呼吸をしてみてはいかがでしょうか。生きることがほんの少しかがやいたらうれしい。
おわり