身体を棲みかとする (CW: tattoo)

水槽
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お風呂で膝を抱えて泣くとき、二の腕がよく見える。タトゥは自分に一番近いところで寄り添ってくれているお守りと感じる

右側の二の腕には繊細に光を湛えた窓と、ゆるやかに浮遊するくじらがいる。そのうえには流れ星も。すべて作家の中村菜月さんに原画を依頼したもの。タトゥーという性質上引き受けるのに抵抗がある/そういうことはしないんだというのであればお断りください、とどきどきしながらお願いしましたが快く引き受けてくださりました (T . T) おかげでいつでも菜月さんのくじらがそばにいてくれる 本当にうれしい

真っ直ぐにこちらを受け入れるかのように開かれた窓をみていると、いつだって自分はどこにでも行けるんだ、と思い出すことができる

初めてスタジオに行ったとき、不思議なくらい自然なことのように感じた まるで美容室へ行くみたいに、自分のために毛繕いをするように。ある種のセルフケアだと感じた。

もちろん万人に勧めるわけではない。だから必要以上に賛美もしない。でも自分にとってはこれで良かったと思える選択だった。この人生の中で違和感のない行いだった。その感覚を今もずっともっている

この身体と付き合っていくことに関して絶望も諦念もあったがタトゥのおかげで少なくとも元気なうちは実体としてとどめておきたいと思えるようになった。これは大きな変化。身体嫌悪のために「こんな身体いらないや」と思っていた頃にはもう戻りたくない。身体を脱ぎ捨てることができない以上、折り合いがつかないのはつらい。タトゥはそのバランスをとってくれているようだ