「ルキャドの祝福」後日談

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公開:2025/1/28

※ネタバレしてます※

読んだ!たくさんの本の中から「ルキャドの祝福」を選ぶとページが開くの、まさしく図書館で本を選ぶみたいでわくわくしてた。図書館に並んだ本から、「これはどんな本だろう」って思いながら表紙をめくるあの瞬間を思い出す。ルキャド学園の図書館は、あんな風に本が浮かんでるのかな。あと、最初は「今はまだ、その時ではない」って出てた本に後日談が追加されるの、「今がその時なんだな」と思ってテンション上がる。

永遠の物語

本当にハッピーエンドか???と疑いながら読んでた。ハッピー……エンド……かなぁ……。どこかでひっくり返るのでは?って思いながら読んでたんだけど、最終的には「あっ、これ本当にハッピーエンドのつもりなんだ?」ってなった。少なくともエイベルにとっては、「大事な仲間と一緒である」「ずっと望んでいた兄との再会を果たした」という意味ではハッピーエンドなんだな……。そっか……。

でも、不老不死になって物語を守ることに納得してるとしても、その過程いろいろ問題ない???国民魔法で記憶改竄されてるしさぁ……。(エイベルに効果なかったのは、素質があるとかそういうことなのかな)試験受けなかった場合と合格しなかった場合の犠牲者もいるんですよ。本人たちは幸せだとしても、立っている基盤がいびつすぎると思う。百歩譲って全ての犠牲を理解したうえでの選択ならまだしも、他の家族は魔法で何もわからない状態にされてるわけで国?司書たち?にとって、都合よく使われてるだけでは。それとも、何も知らずに日常を送っていれば幸せなのかなぁ。ディストピアかな。

あと、そもそも「永遠は幸せか?」問題もあるのかもしれない。終わりがないのは怖くないか?と思ってるから、果たしてそれは幸せなんだろうか……になる。でも、物語のためだけに生きられるなら、物語とずっと一緒にいられるなら幸せという気持ちはわからなくもないんだよな……。いやでもやっぱり終わりは欲しいな。物語と一緒に生きて、物語と一緒に死にたいよ。

亡失の物語

つらい。あらためて読むとやっぱりつらい。でも、国が混乱に陥ってると思ってなくてちょっとびっくりした。図書館がなくなったから?本がなくなったから?魔法の源が燃えてしまったから、何もかもの力が消えたということかな。

この後って、一体どうなるんだろう。行方不明の家族や友人が大勢いるってことが発覚して騒ぎになるとしても、国の責任問題まで発展するのか?それとも、国も知らなかった(という体か本当に知らなかったか)?国そのものが大混乱になって日常生活がままならなくなるのは嫌だなと思って……。生き残った6人には、せめて心を休める日々を送ってほしい……。

あと、実際問題今後の処遇的にどうなるんだろうなと思って。火をつけたのは生き残り組ではないけど、状況的に確実に疑われるよね。6人の逃亡生活始まったらどうしようかと思って、その意味でもひやひやしてる。大丈夫かな。そのまま家に帰れる気がしないんだよな……。もしかして、6人でしばらく身を隠すみたいな感じになるんだろうか。

でも、結末的にはわりと希望のある終わりのような気がする。リロイがこれからの決意を固める終わりだったから。たぶん、生き残った6人も同じ気持ちだよね。失ったものは多くて、決して戻らないことが苦しくて、悲しくて仕方ないとしても。それでも、彼らは物語を守っていくことを決意した。それが、二度と会えない大切な人とのつながりで、その瞬間は彼らに会えるのだと信じて。

……って思ったから、一応希望は感じるんだよな……という気はしたんだけど、読み終わったらサイト~~~!!!燃えてるんですけど!!!!本が炎に巻かれてるし火の粉の飛び方も結構速いからそこそこ勢いあるなこの炎!!!!


みたいな感じでした。まあ、うん、本を燃やすことに関してはいろいろと……いろいろとあるんだけど、全体としては、うん。そんなに嫌いではないよ……。この一点だけはちょっと受け入れがたいだけで……。

舞台設定とかは好きだし、話の流れとしても結構好きなんだよな。バッドエンドも含めて。もうこんなの前世転生物の序章では!?って思ってるもん。現代で再び出会う12人の話とか読みたい。記憶持ちと記憶なしが半分ずつだと思うんだけど、燃やした方or生き残った方、どっちが記憶持ちかなとか考えると想像が進む。

そういえば、今回後日談読んでる時、エイベルは至さん、リロイは椋くん、ゴードンは臣くんで想像してた。Wキャストの内、何となく自分なりにしっくり来る方があるんだよな。

@onosato
日々の記録や思ったこと。ときどきフィクションです