東御に行った

ookawa
·
公開:2026/1/25

遠くに出かけることをなんと呼ぶか。

旅行、遠征、お出かけ、旅。いろいろあるけど、出発したばかりの今は脱出って感じ。行くって決めた時はそんなつもりじゃなかった。

想定以上に繁忙期真っ只中で、なんとか仕事を金曜日に抑え込んで。

なんとなく、最寄りからの移動に普段使わないバスを使い、新幹線に乗り、名古屋のマックでポテトを食べて(夜中のポテトうますぎ)、夜行バスに乗った。日常からの脱出。

昨年の長野県東御市での刀剣展及び清麿コラボの最終日に行った時、来年も刀剣展の開催が決定したことを地元の人に教えてもらった。もしそれが本当なら絶対また来ようと、用意してもらえるのなら参加したいと思った。

あの時、本当に良い体験をさせてもらって、それがこの1年の自分の行動になったと思うから。

なので今年も東御の梅野記念絵画館・ふれあい館で開催されている『刀剣-Touken- 刀が映す東御の歴史』(2025年11月15日〜2026年1月12日)に行った日記です。

前回行った時に、日帰り温泉を使わせてもらったホテルに「今度は泊まりたい」って思ったからそれも実行してきた。

地元から長野に行く場合、新幹線・飛行機・バス、どの手段でも乗り継ぎ必須なのと、前回(大阪から夜行バス、東京から寝台列車)とは違うルートを使ってみたかったので、新幹線で名古屋まで行って、そこから夜行バスで長野に向かうことにした。

今のところ夜行バスにしんどさは感じないけど、今回は席が後ろの方・アナウンスがほぼ聞こえない・降りる駅が終点じゃない(と思い込んでただけで終点だった)と、目的地でちゃんと降りられるかの不安が募り、夜行バスに乗りながら路線バスに乗る夢を見た。夢の中の「次は〇〇〜」のアナウンスのたびに起こされて……でも夢に起こされるって思う程度には寝てたけど。

自分の夢に起こされながら長野駅に6時半到着。

雪!!!!

雪降らない土地の人間なのでこれだけでテンションが上がっている。

0℃!!!!今冬初めて見た!

雪見ただけで超元気になり、軽く身なりを整えて、駅構内へ。

長野駅から田中駅までは1時間ほど。ここで食べなきゃ腹が減るので、電車に乗る前に駅そばを食べる。

長野駅にはやたら駅そばがあるらしいけど、今回は雑誌で見た6・7番ホームのそば屋に行った。

かき揚げ蕎麦(朝7時)

うますぎた。

目の前の景色これだし。

立ち食い蕎麦屋さんだけど、そこの椅子に座って食べてもいいよって言われたので、駅のホームの椅子でうっすら積もった雪を眺めながら蕎麦を食べた。

田中駅まで1時間もあるから寝ちゃうかもな〜と思ったけど、外の景色見てたらあっという間だった。

この景色が日常なのは、ちょっと異常だ。

と思ってしまうほど、この山の近さは私にとって馴染みのない景色だけど、同じ電車に乗ってるほとんどの人にとってはこれが日常の景色なんだろうな。きっと″生活″の認識が違う。"普通"なんて存在しない。

あと、前に来た時も思ったけど、雲が低い気がする。多分雲が低いんじゃなくて、私のいる位置や山が高いんだと思うけど。

そういえば、と思ってiPhoneのコンパスを見てみると『高度430m』

初めて見たからわからん。スカイツリーより高いってこと?

ぼんやり電車に乗って8時半、田中駅着。ローカル線ICカードトラップに今回も引っかかり、謝りながら駅を出る。(多分、長野駅にICカードで入らなければ問題なかった、もしくは篠ノ井駅で1回降りる)

今回も田中駅からシャトルバスが出てるので、それを使わせてもらうつもりだけど、まだ時間に余裕があるので、山浦兄弟・兼虎の碑があるという道の駅に向かう。

刀工源清麿の墓碑もあるのでそこにも寄るつもりで、ここから5kmほど散歩をする。

ちなみに24時間借りられる自転車があることも、滋野駅からのほうが近いこともわかってる。わかったうえで歩き始める。

12月の長野は初めてで、どれほど寒いのかとビビりながらもそこまで着込んでこなかった。結果的に歩くにちょうど良い寒さと格好で、気持ち良く歩けた。

国道18号線のほうへ

お地蔵さん

国道18号線を小諸方面にずっとまっすぐ歩く。

ここから見えるのは浅間山?

ずっとまっすぐ歩いてるとブロックが現れる。ペンギンかわいい。

雷電もいた

そこのセブンを曲がる。

と、

刀匠源清麿の墓(入口)がある。

お骨は四谷・宗福寺に入っているらしいけど、婿入りした大石村の家の方がここに墓碑を建てたそう。墓碑はこの奥に、現役っぽいお墓と並んでいる。

墓碑には『大道義心居士』と刻まれていた。四谷の『大道院義心居士』だったけどな…?と思っていたら、この1ヶ月後に行った名古屋刀剣博物館にて、四谷のほうが誤字っていることを知る。

手だけ合わせて、次へ向かう。お邪魔しました。

墓所から少し歩いたところからの景色

道の駅までの道中に雷電の生家もあるようなので寄ってみる。

力士雷電の生家

中は、時間内ならご自由にご覧くださいスタイルだった。雷電がモデルの絵やグッズがたくさん並んでいた。

雷電が田畑への行き帰りに鋤の先につるして歩いた石。吊るして??歩いた??

生家の入り口からの景色

雷電の生家からもう少し歩く

道の駅に徒歩で来た(チャリで来たポーズ)

といっても田中駅から寄り道しながら1時間半、源清麿の墓碑からは45分くらい。滋野駅からだと30分くらいなはずなので、全然徒歩圏内。

10時、雷電くるみの里着

ここには山浦兄弟・兼虎の碑があるらしいので来てみたけど、見つからないので山を見ていた。

山に詳しい人ってこういう案内がなくても、あそこは〇〇山だ、とかわかるのかな?私は地図を見てもいまいちわからないのでこういうのありがたい。

ほ~ん………立山?富山の立山?ここ、長野の中でもかなり群馬寄りですが?

展望デッキと逆に歩くとあった。

山浦真雄・清麿・兼虎生誕之郷碑

からの景色

このままこの方向にまっすぐ下っていった千曲川の手前に山浦真雄宅跡がある。はず。もう少し東かも。

ちなみにここの高度は700m。スカイツリー2つ分ってこと?

せっかく来たので道の駅でお買い物。

殻のままのくるみがあんなにたくさんあるのも、くるみ割り器がカジュアルに売られてるのも初めて見た…。

お土産にりんごのロールケーキとくるみを買った。くるみは流石に難しい気がしたので剥かれてるやつを。

持って帰ったくるみはホームベーカリーでくるみパンにしたんだけど、香ばしくて美味しかった。

食堂があったので休憩。新聞の名前を見ると、知らない土地であることを感じる。

初めて存在を知ったくるみおはぎ(2個)

くるみが名産だし、この食堂オリジナルメニューかと思ったら、このあたりではよく食べられてるっぽい…?インターネット調べ。

しかし美味しかったな…あまじょっぱ系。地元でもあんこときなこと並べてセットで売っててほしい。

くるみの美味さに感動したところで、田中駅に戻るために再び歩く。

帰りは、滋野駅から電車に乗るつもりなのでひたすらまっすぐ降る。

東部町だった時の名残?

歩いてたら雷電の碑を見つけた。

写真は撮り損ねたけど、2つの碑が別々のほうを向いて建っていて、なんじゃこらと読んでみると、この碑を削って身につけていると縁起がいいという迷信が生まれた結果、碑文が読めなくなるほど削られて、新しい碑が建てられたかららしい。

さらにまっすぐ歩くと見覚えのある道に。

車が来てるほうから歩いてきて、右に行くと山浦真雄宅跡に行く道。

去年、よくわからずに歩いた道だったけど、うろうろしてると道が繋がってることがわかって面白い。

というわけで滋野駅着。道の駅から30分。

電車で田中駅に戻って駅前のお菓子屋さん「花岡」でくるみるくを仕入れる。今回のお土産はすべてくるみるくにした。美味しいから。昨年は巾着に入ってるものをぼろぼろにしてしまったから自分の分も。

シャトルバスで芸術むら公園へ

シャトルバスがないと難易度がかなり上がる場所だから、本当にありがたい。

ちなみにレンタカーという手段も知っています。出かけた先で運転したくないだけです。運転はわりと好きなほうです。

12時半、芸術むら公園に到着

ホテルの入り口から見える浅間山

ホテルの近くの 問 tou というカフェでお昼。昨年も食べたコーヒーとホットドッグとシュトレンのセットがあったのでそれを頼む。

ここからは、昨年行った場所にもう一度訪れてみる、ということをしてみる。

シュトレンって食べたことないからここの味が私のベーシックになってしまいそうなんだけど、でもここのって甘くなくて、スパイスの香りがしてナッツの食感がいい感じの、噂に聞いていたシュトレンのイメージとは違う。けど美味しい。上にのったりんごのワイン煮も美味しい。

食べて、梅野記念絵画館・ふれあい館。

相変わらず嘘みたいな窓からの景色を眺めて展示室へ。

以下しばらく展示の感想。

今回は宮入刀匠の作品を中心に、東御の歴史の中に伝わってきた刀などが展示されていた。

とにかく展示室の空間が好きだった。前回もそうだったけど、一振り一振り独立ケースで、立ててみたり、寝かせてみたり。壁掛けのケースとか本当におしゃれ。ライティングも良くて、遠くから見ても鉄の粒子(?)が光ってるのが見えるような、見てほしいところにばっちり光を当ててくれてるような感じ。

宮入刀匠の令和7年の作品が一番好きだった。バチバチに煌めいてるのに滲むような光り方をする部分もある。風景画のよう。他にお客さんもいなかったので模写をしてみたら、さっき道の駅から見た山々の景色みたいになった。この作品だけのことではないけど、キャプションに「空や大地を映し取ったかのような自然美」と書かれていて、まさにその通り。鉄の中に東御の景色が映っていた。

雷電が所有していた脇差も展示されていて、さっき見た、削り取られた碑の話が書かれていて伏線回収。建て直されるきっかけは佐久間象山の妻(勝海舟の妹)らしい。

宮入刀匠の燭台切光忠と骨喰藤四郎の再現作も展示されていた。燭台切光忠の再現作は初めて見る。骨喰は松本の展示で見たけど、どちらも本科は見たことがない。なので比較するような見方はできないけど、骨喰…重量まで同じってどういうこと…?しかもどちらも平成30年の作品…どういうこと!?燭台切再現作のキャプションに「命を削るような想い」で制作したというようなことが書かれていて、本当に…どういうこと………という気持ち。

「八重原の雲」という写真集が図録と一緒に並んでいたので、少し中を見てみると、すごく好きな写真で、自分はこれが好きなんだと自覚した。そういう、この土地に来て見られる好きな景色が、宮入刀匠や山浦物の刀の中には映ってる気がする。

今日、田中駅から道の駅から滋野駅まで歩いてる時に、これを原風景に持つ人が生み出すものは特別で、唯一なんだろうな、と思った。だって、朝起きて、家から出て見た時の景色があれだなんて、私の生活ではありえない。

でも、だからこの土地の人が特別というわけではなくて、そういうものが人それぞれにあって、唯一で特別な考え方や創造ができるんだろうな、と。私にもあるのかも?それはわかりませんが。

昨年の展示をきっかけに見つかった、山浦真雄作と思われる脇差を見ながら、この土地で見られてよかったな、と思い、写真集と図録を買って、絵画館を後にした。

昨年訪れた場所をもう一度、ということで近くの日本酒専門店まで散歩をする。

焼ける匂いと煙ってすごく冬を感じる。

今回は人に贈る用のものだけ買おうと思ったのに、お話しているうちに山浦兄弟セットも買っていたので、結局自分用のお土産が一番多くなった。

日が暮れる時間までたっぷりのんびりしていたら帰る手段がなくなる場所だけど、今回は芸術むら公園内のアートヴィレッジ明神館にお世話になるのでちんたら帰る。

部屋からの景色。どの部屋からでも浅間山が見えるらしい。

昨年のコラボでランチとか出してた気がするから利用したことある人多そうだけど、私は昨年日帰り入浴だけ使わせてもらっていて。それがすごく気持ち良くて。

天気の良い日の明るい時間に、露天に浸かって綺麗に見える浅間山を眺めながら、地元マダムが子どもの結婚式に東京へ行く話に聞き耳を立ててる時間はとても良かった。

その時に、次来た時は泊まろうって思ってた。

なのでここからはただ温泉旅行を楽しんだ日記です。

とりあえず夕食前に温泉に入って、全ての疲れを湯に溶かした。

夕食(一部)

さっき行った日本酒専門店で気になってた日本酒が飲めて嬉しかったし、特に野菜が、どの料理でも美味しかった。

そしてりんごの天ぷら。初めて食べたけど、アップルパイみたいな…だけどさっぱり甘くてすごく美味しかった。この辺りでは普通なのかな?

くるみおはぎとりんごの天ぷら。1日で2つも初めての料理を食べられて、これだけでかなり楽しかった。

お腹いっぱいで部屋に戻ってきてさらにおやつを食べる。

今朝、花岡で一番人気らしい胡桃の醍醐味というお菓子を買っていたので……。要冷蔵なので持って帰るのはちょっと……。

ここのお菓子は全て美味しいので何買っても間違いないっぽい。

部屋でラジオを流していたら福山雅治のラジオが始まって、地元の放送局の名前が呼ばれた。全国○局ネットのすごさっていまいちわかってなかったけど、旅行先で実感するものだったんだな。

そして、翌朝の窓からの景色

朝風呂にいった時は少し雨が降っていたけど、こういう、雲の向こうに″いる″景色もなかなか見ることがないし、雨の露天風呂ってわりと好きなのでこれも良いな、と楽しんだ。

朝食(一部)

ハム美味しかったな…八重原ハムだったんだろうか…。朝からポトフ食べられる嬉しさを噛み締めて、ごちそうさまでした。

送迎がお願いできたので、帰りはホテルの方に田中駅まで送ってもらった。

朝からほんのり雨が降っていたので、ホテルの人に、雪にならないんですね、と聞いてみたら、この辺りは雪は降っても積もらないそうで。気候が良くて、冬でも晴れることが多いから午前中には溶けて、他所の人が想像するほど雪景色になることは無く、青空の日が多いそう。

今回の会期を見て、遅くなればなるほど雪が怖いと思っていたから、そんなに身構えなくても大丈夫そうでよかった。

と、思ってたけど最終日に公式アカウントが上げてた写真がめっちゃ雪で大丈夫!?と思った後日談。

田中駅で電車を待つ。

今日は最終的に上田駅から東京行きの新幹線に乗れたらいいので、のんびり適当に。

とりあえず鉄の展示館に行ってみようかと思う。

坂城町のねずみ

鉄の展示館

入り口の横に源清麿の生誕200年を記念した碑がある。

全日本刀匠会設立50周年記念展が開催中(2025年11月18日〜2026年2月1日)

現代刀匠の作品が並んでいた。春に大阪歴史博物館で会った、エヴァンゲリオンの薙刀と熊徹の太刀もあった。熊徹の太刀は映画公開当時も見たのでなんだかんだ3回目だ。

現代刀匠の作品って、清麿みたいだな~山鳥毛みたいだな~などと思いながら見ていると、キャプションでそれを模して・目指して作刀したことが書かれたりしていて面白い。あなた山鳥毛好きなんですか?私もです!良いですよね!って話をしてるみたいで。

外にある宮入行平先生顕彰碑

展示館には宮入行平記念室というものがあって、宮入一門の作品が並んでいた。宮入さんがたくさんで、全然関係性とかわかっていないのですが…燭台切や骨喰の復元を製作した宮入法廣刀匠は宮入行平刀匠の甥、ということだけ覚えた。

鉄の展示館近くの道祖神

おしぼりうどんというものが気になったけど、なんとなくうどんの気分ではなく、ふらふらしつつ上田駅に戻り、ホームに降りると唐揚げのいい匂いが…

信州名物山賊焼き

これこれ!鶏ももを1枚丸ごと揚げてるのか?美味い!これが食べたかった!ガツガツ!

…からの失速。私はこんなにも唐揚げを食べたいのに、どうして体は最後の2切れくらいで油に負けるんだろう…。

若干油に負けながらも完食して、上田城に行ってみる。

真田氏が築き、徳川に壊されて、仙石氏により再建された上田城。今は江戸時代の姿に近づけるための工事中。

敷地内の上田市立博物館には山浦真雄が一時期師事した河村寿隆の刀が展示されている。綾杉肌が綺麗な脇指だった。

別館は真田中心の資料が展示。

大坂夏の陣図屏風の復元があって、実物を見てみたいと思っていたから、復元だけど、見られて良かった。

私は歴史の勉強がかなりできないかつ、歴史ものコンテンツに触れてこなかったタイプなので、こういう時に歴史の勉強をしている。机に座っても覚えられないが、体を一緒に動かすと覚えられる気がするので。

東虎口櫓門

サマーウォーズのおばあちゃんの家のモデルらしい

でかい石

ベストスポットなのに全然ベストな感じに撮れた気がしない

ベストスポットからの景色

御神木くぐりはちょっと自信なかったので覗いただけ

西櫓

真田井戸を覗く

本丸跡

やたら足元が滑るな~と思ったらどんぐりだった

二の丸の堀は埋められて今はけやき並木になっている。

昔はここを電車が通っていたっぽい。

落ちてきても避けれる自信ないな

雨が降りそうで降らない上田周辺を、分厚い雲の向こうに山の気配を感じながらぶらぶらした旅行2日目だった。

昨日花岡で買ったおやきを食べ損ねていたので新幹線で食べる。

おやきを食べるのは3回目くらいなんだけど、一番美味しかったかも。

東京駅ではやぶさを眺めて今年の東御旅行は終了。

今年は2回長野に行ったけど、どちらも良い場所だった。東御は初めてではないけど。

最初に書いた、地元からだとどの手段使ってもそこそこ時間がかかる場所なのもいいのかも。距離が遠い場所よりも、移動に時間がかかる場所のほうが遠くまで来た感じがあるし、日常とは違う時間の使い方ができて、非日常になる気がする。

とりあえず、大阪より西からでも土日で長野旅行できるよって話でした。

地元に着いて、シャワーだけして仕事に向かう途中、コンパスを見てみると高度10mだった。