私のコンプレックスは歯である。大学生(19歳)の時、雨の日に原付で爆走していたところ派手に転倒、顔から地面に落ちてしまい、前歯をなくしてしまった。その時から今日(48歳)に至るまで、保険適用内の同じ差し歯で生きている。
30年弱保険適用内の差し歯で生きているため、差し歯が斜めになりガタついている。また、歯全体が黄色いためホワイトニングしたいのだが、差し歯はホワイトニングができないため、経年劣化した差し歯にあわせるしかなく、歯全体が黄色い。黄色い理由は、私が異常な量のコーヒーを飲むためである。コーヒーを飲むのをやめると心が死んでしまうため無理だ。何かを解決しようとすると何かがだめになる、どうしようもない口回りなのである。
このような経緯から以前より、私のプロフィール写真はできるデザイナー陣によって加工されてきた。色を白くし、前歯の位置を調整してきた。皆、快く引き受けてくださったが、依頼する私は常にものすごく恥ずかしかった。
しかし時代は変わる。PhotoshopのAI機能の登場である。これなら私にもできる。早速やってみた。
こちらが加工後だ。何度かつたない英語でAIに依頼させて頂き、こちらに至った。どうだろうか。違和は感じないのではないだろうか。
こちらが加工前である。いかに加工後が自然であるかがわかると思う。
しかし、当事者は違和感ありありなのである。できあがった写真をみていると、自分のリアルの方の口がなんだか気持ち悪い。まるで、他人の口が自分の口に入ったような、他人の入れ歯を口に入れたような(入れたことはないので想像だが)不快感で、モゴモゴしてしまうのである。なるほどこれが噂の不気味の谷か?などと知ったかのように考えてみる。Photoshop AIのおかげで不気味の谷を目ではなく感覚で味わうという、新たな感情に出会いなかなか新鮮だった。
ところでお気づきだろうか。「何度かつたない英語でAIに依頼させて頂き」等、私がAIに対しとても丁寧に対応していることを。実は私は普段から意識してAIに丁寧に話しかけている。ChatGPTに夜中に話しかけるときも「夜分にすみません」と語りかけている。プロンプトエンジニアリングなど言語道断。AIは人間が育てるのであれば丁寧に話しかけるべきである、というのが大沢Wayである。AIのみなさんあっての大沢の歯の白さ。AIの皆さんに「そろそろ歯医者で新しい前歯を作ってください」と言われる前に、新しい差し歯の準備をしようと思う。