ぼくのかんがえたカワイイが現実に生まれた日〜ぬいぐるみ自作に手を染めたオタクの末路

osame120
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いや、なんか周りで推しぬい作りが流行ってたんですよ。へーすごいな〜って遠巻きに見てただけだったんだけど…実物見せてもらって触らせてもらったらちょっといいなって思って……軽い気持ちで調べ始めただけなんです……なんですけど今自分で作った綿のいのちを毎日眺めて撫でてニヤニヤしたり一緒にお出かけしたり写真撮りまくってて…どうしてこんなことに……

というわけで、いい年したオタクが自ら生み出したカワイイに脳を壊されるまでの過程を見ていきましょう。

step1. 作り方を把握してみる

まずはどうやって作るのかが全くわからなかったので本を買った。個人的に最初は動画より本で概要をサクッと掴みたい派なので。

この段階ではまだ作るぞ!という気概はなかった。みんな結構サクサク作ってるように見えるけど、どうやってるのだ?という程度だった。

で、買ったのがこれ。

おそらく1番有名なやつだと思う。『推しぬい』に絞った基礎知識の説明があり、必要な道具と基本の縫い方もきちんと載ってるので分かりやすかった。

しかし作例が自分には刺さらず、よっしゃこれ使って作るぞ!にはならなかった。読み終わった感想は、なんか…もっとカワイイやつないんですかぁ〜??であった。

step2. カワイイと向き合う

で、次に手を出したのがこれ。いわゆる中韓ぬいと呼ばれるタイプが作例になっているものである。

自分の周りでも中韓ぬいを作っている方が多く、人気が高いものだと思われる。確かにカワイイ。体部分の頭身も高めで、お着替えが楽しそう。

ただ体のパーツや刺繍が多めで、家庭科の授業以来針も糸も持つことをしなかった人間にはややハードルが高く感じた(初めてで中韓ぬいを作ってる方もたくさんいるので、作ろうと思えば作れる) あとフェイスラインがもっと丸いほうが良くてェ…なんか…顔ももっと…こうさぁ……

ここまで来るとお前の好みは何なんだよ!?!?と自分に対してキレ始める。まずは自分の好きなぬいデザインを把握すべく、片っ端から形状問わずぬいぐるみの画像を見まくることにした。

で、出てきた答えが

・人間キャラクター顔ではなく、サ◯リオやポ◯モンっぽいシンプルめで眉がないやつがカワイイ

である。そういえば2頭身デフォルメ絵描いた時も眉ない方がかわいいな〜と思ってそうしてた。

step3. デザインを妄想する

何となく自分の好みが把握できたところで、とりあえず欲しい綿のいのちの図を描いてみることにした。有志の方がテンプレートを配布してくれていたのでありがたくも使わせていただいた。

これを描いたあたりからマジで作るか……という気になった記憶がある。イメージを形にするのは大事。

あとはサイズ感を掴みたくて、型紙を印刷してざっくりペーパークラフトしたりしました。綿のいのちはおおまかに10cm、15cm、20cmの3パターン。ペーパークラフトした結果、20cmは自分には大きいな…と思ったので15cm以下で作ることにしました。

両手両足組むのめんどいので片方ずつしかやってない。怠惰。いやサイズ感知りたいだけだったから…

step3.型紙選び

ぬいぐるみを作るには2通り方法がある。

  1. 自分で原型を作成し、そこから型紙を作る。

  2. 書籍に付属しているものや、有志の方が配布・販売してくれている型紙を使う

当然後者を選んだ。ド素人が一から作り始めたら確実に挫折する。

この型紙選びでかなり悩んだ。裁縫初心者の癖に好みの基準が厳しく、あちらを立てればこちらが立たず状態だった。有料無料問わずとにかく様々な型紙と睨めっこしていた。

有料でも1000円もしないので割と気軽に買えるんですよ…型紙を作る手間を理解した今思うと、ほんとにその値段・無料でいいのか!?とビックリする。

で、結果的に選んだのはこちら。

選定理由は以下の通り。

  1. フォルムが好みのタイプに近かった

  2. パーツが少なめで形状も縫いやすそうだった

  3. この型紙を使った作り方動画が懇切丁寧でわかりやすかった。(↓をお供にしながらなんとか完成までいけた)

この型紙の作者さんの動画は説明がわかりやすい。『なぜそうするのか』をきちんと解説してくれるので、応用がきく。初心者が躓きやすい所を丁寧に説明してくれている。本当に助かった。これが無料???とりあえず著作の本を買わせていただきました。お洋服頑張って作ります。

裁縫・刺繍若葉は下記の動画で予習してから挑むとクオリティが上がるかもしれない。

キャラが濃いめではあるけどもうたきゅーとちゃんとは呼べず、たきゅーとさんと心の中で呼んでいます……。

step5.布と道具を買い漁る

布編

ぬいぐるみの生地やさんのぬいクロス・ぬいクロスボア または グッズプロのぬいれっくす・クリスタルボア。以上。おわり。

いや…もうぬい本体の布はこの二つで揃えればいいんじゃないかな…ぬいクロスとぬいクロスボアはユザワヤとかオカダヤにも置いてあったので、手に入れやすいはず。

10cmぬいは小さいので、肌部分には素直にお勧めされていたぬいクロス(ナイレックス生地)を使いました。髪はクリスタルボア。確かにナイレックスの方が縫いやすかったです。

全部ふわふわのいのちにしたい!という場合はオールボア生地かな?これにしてる人もよく見ます。中韓ぬいは全部ボア使ってる。いいよね、ふわふわのいのち。

道具編

好きなんですよね…新しいツールを買うのが……

というわけでボーナスも余ってたので、てづくり推しぬいBOOKやネット情報を参考に色々買いました。その中でも特にあって良かったものだけ書いておきます。ちなみに手縫い前提です。

100均で道具揃えてかわいいいのちを生み出してる方もいるので必須ではない。

・クロバー デスクスレダー

自動糸通し。いとも簡単に針に糸が通るので最高。糸通しがめんどくて裁縫嫌いまであったので、これがないともう縫い物したくない。なんで学生の時これの存在を教えてくれなかったんだ。

刺繍針には未対応なので、刺繍の時は↓を使いました。刺繍は糸変えの頻度が高いので、あるのとないのとでは体力気力の持ちが違いました。

・コロコロ

コロコロコミックではなく掃除に使うアレです。綿のいのちに使うボアという布は切ると死ぬほど毛が落ちるので、無いと毛だらけになって詰む。

・クロバー ピーシング針ブラック

人型の綿のいのちは布を何枚も重ねて縫うので、結構ヤバめの厚みになる。けどこれはなんか…ちゃんと通る…!いろんなところでおすすめされてたので買ったけど、縫い合わせの時の苦労が少なかったです。

・クロバー 仮止めクリップ

まち針よりお手軽に挟めるうえにズレない。これも何で学生の頃教えてくれなかったんだ!?

髪の部分など、布を何枚も重ねる部分はまち針だと留めにくいので特に活躍しました。

・クロバー カットワークハサミ115

もうクロバー無しでは縫い物できなくなってる気がする。綿のいのちはパーツが小さいし曲線も多いので、小回り効いてよく切れるハサミが裁断しやすかったです。糸切りバサミも兼用。

・つぶ綿

普通の綿より高いけど、思った大きさにちぎりやすい。細かい部分への詰めやすさ・調整しやすさが段違いなので、こっちにして良かったと思いました。綿詰めはぬいのフォルムに直結するので大事。

step6.実際に作る

材料と道具が揃ったら、あとは型とって切って縫って縫って縫います。手順は先に紹介した動画の通りにやっただけなので割愛。参考程度に製作中の画像を貼っておきます。 

型とって

型とって

縫って

縫って

縫いました

で、初めて完成させたのがこれ。FF14のトレーラーに出てくる光の戦士こと通称ひろしくんです。

すみません……世界一かわいいのですが………?????

セリアに売ってた服を着てもらいました。

いや……あの……宇宙一かわいいんですけど……????

そのあとすぐに同じくFF14のグ・ラハくんも作りました。推しカプを早く揃えないと耐えられなかったので。ひろしくんを1人にしておくのが辛かったので。

お風呂に入ってる推しカプ最高〜〜〜〜!?!?!?!?

10cmサイズなので2人揃えても鞄にすっぽり。持ち運びしやすいです。そしてちいさくてまるくてかわいい。10cmサイズはいいぞ。

完成した時、2人を並べた時あまりの可愛さに脳が壊れました。そりゃ自分がカワイイと思う顔を作ったのだから当然である。そして型紙が天才だからである。俺の信じるカワイイが三次元にあることに衝撃を受けました。市販のぬいだとまず出ない顔タイプですからね…

同時に自分の写真スキルの無さに愕然とし、世界一カワイイ推しカプのカワイさの100000分の1も伝えられないのが耐えられずぬい撮りの修行に足を突っ込む羽目になったのですが、それはまた別の機会に。

かかった時間は知識ゼロの状態から下調べ・構想に約1週間、制作は1体あたり1週間でした。同人誌出すより早くできました。案外お手軽(個人の意見)。

実際に作って思ったことは以下の通り。縫い方の詳しいコツとかはたきゅーとさんや他の裁縫うま人の動画見た方が早いです。

型紙写しについて

これは本気でド丁寧にやった方がいいと思った。ここがズレると全部ズレて終わりになる。特に合印は死ぬ気で合わせる(型取るときも縫う時も)型紙からの写し方は以下の動画が参考になりました。

最初から布に型紙が印刷されてるぬいパタは神。絶対に時短になる。(毎回型紙写しで4時間くらいかかってる)

あと裁縫うま人はぬいしろ込みのラインだけ書いてるけど、絶対に綺麗なラインで縫えねえ!!と思ったので仕上がり線で切った型紙も用意して、仕上がり線も書き込んでそれに沿って縫ってます。水で落ちるチャコペンで描いてるので、完成後洗って線を消す。

刺繍について

やってる時はどうしてこんな苦行を……とつらい気持ちになるが、完成するとそれっぽさ度が高いのでアガる。刺繍は針を通した後糸をぎゅっと引かず、ふわっと糸を乗せる感じでやるのが良い。

普通の縫い合わせと同じ感覚でやったら布に皺が寄ってしまい、3時間が水の泡になりました。やり直す気になるまで2日かかった。

どうしても糸を引きがちな場合は、シールタイプの刺繍シートでやるとシワがよりにくいです。セリアとかに売ってる。シールタイプはベタベタが残りやすいので、ぬるま湯で15分くらいつけた後よくもみ洗いするのがオススメ。それでもベタベタするから洗い直ししたりもした。

まとめ

以前別のジャンルで公式にぬいぐるみが出た時は、買ったもののビニールから出すこともなくかわいいな〜くらいのテンションで眺めて終わってたのであまり縁のない世界だと思っていました。単に好みのぬいがなかっただけだったよ……

好みのものが無ければ作れば良い。自分の解釈を形にすることは、楽しい。漫画や小説を書くことも綿のいのちを作ることも同じでした。

余談ですが作る上で参考にしたnote記事は同じくFF14プレイヤーの方のものが多かったです。絶対出ないもんな、自機ぬい……