今回私が出す新刊の一つはCARPE DIEMというタイトルです。ラテン語でその日の花を摘む、要約すると今を楽しむ、今この瞬間を生きる、という意味です。ケガによって苦しめられ、挫折したミツイが失った2年を取り戻そうとする姿にピッタリの言葉なんじゃないかな、と思って…あとは、私の願い、みたいなものが込められています。今は後悔して自分を責めてしまうかもしれないけど、前向きに今を精一杯生きてほしい、という…
そしてそんな言葉とは対極にあるのが、memento moriという言葉。死を思え、人がいつか死ぬという事を忘れるな、という意味です。ただ、後ろ向きの言葉ではなく、死を思う事で今をどう生きるか、という事に繋がるので、carpe diemと対極にあると言いつつも、どちらも「生きる」という意味が込められています。2つとも好きな言葉です。
後先のことばかりに気を取られないで今を生きるのも、先のことを考えて今を生きるのも、どちらも大事。バランスよく取り入れながら、生きていきたいものです。
さて…memento moriは自分の死を…という事かもしれませんが、身近な人の死を意識する時もお守りみたいな言葉になり得そうです。
私の母が亡くなったのは6年ほど前なのですが、当時息子の妊娠と出産が重なり、また実家とは離れていたところに住んでいたことから、母とちゃんと向き合う事ができませんでした。母も私がそんな状態だったので、自分の病状を詳しく明かす事なく、大丈夫、大丈夫と電話口の向こうから私に心配かけないよう声をかけてくれていました。
もういよいよ、という時に、実はこうだったんだと説明を受けて、愕然とした覚えがあります。
もっと、母と一緒にいたかったし、母の病気に私も一緒に向き合えばよかった。
どこかで大丈夫だろうと、まさか自分の母が死んじゃうなんてことはないだろうと、現実を受け入れる事ができなくて、母の事を疎かにしてしまった事が今でも悔やまれます。
いつか、人は、死んでしまう。
遅かれ、早かれ…
私が14歳の時、18歳の姉を病気で亡くした事もあったのに、母の死を考えるのが怖くて、向き合えなかった。
今また、身近な人が病気になりました。何があってもおかしくない歳ではありますが、とてもショックでした。
でも今度は後悔しないよう、memento moriの言葉を胸に、きちんと向き合いたいと思います。