まず、UI とは何か
UI = User Interface という語を、単に「見た目の美しさ」みたいなニュアンスで使っていませんか。UI とは User Interface です。User と System との Interface(境界、接点)なのです。User が System に働きかけるときに/System が User に干渉するときに、そのやり取りの接点となるものが UI です。
例えば、スマートフォンから操作する Web アプリケーションであれば、ユーザーとアプリケーションとの間には「アプリの画面」があるので、もちろん「画面の見た目」も UI でしょう。しかし、それだけではありません。「ボタンを押したときの反応」、「入力方法」、「エラーの伝え方」、「音や振動によるフィードバック」なども、ユーザーとシステムとのやり取りを形づくっています。
さらに、僕らはアプリケーションを直接触っているわけではありません(触りたくても触れません)。実際にはスマホアプリの画面を表示する「スクリーン」を触っています。これも(物理的な)UI です。他にも「マイク」や「スピーカー」、「カメラ」など、スマートフォンには、システムとユーザーがコミュニケーションするための装置がたくさんあります。
つまり、「UI を設計する」ということは、 「User と System の境界をデザインする」ということです。ユーザーは、デザインされたインターフェースを通して、システムを見たり、聞いたり、触ったり(もしかしたら味わったり、匂いを嗅いだり?)するのです。
UI が良くて UX が悪い、とは
ここでタイトルです。SNS では、アプリケーションのスクリーンショット画像を添付して「UI は良いけど UX が悪いね」のような発言を目にすることがあります。ユーザー体験が悪そうなものを指差して「でもインターフェースは良いね」と言っているわけです。それは、UI は本当に「良い」のでしょうか。
個人的には、真に優れたインターフェースとは、単に見た目がイイ感じなものを指すのではなく、視覚・聴覚・触覚・味覚・嗅覚など、ユーザーがシステムに対してできるすべての知覚がより良く設計されているものだと思っています。単に見た目だけがイイ感じなのは、「ビジュアルデザインがいい」というだけの話です。ビジュがいいだけで、インターフェースとして良いとは限りません。
(もし、体験の悪さの原因が、インターフェース以外のところにあるなら[例えば、前提となるビジネスロジックが悪い・システム自体がどうしようもない複雑性を抱えている・システムの応答が極端に遅いなどの状況では]、「UI は良くて UX が悪い」が成立するかもしれません。しかし、そういう場合であっても、インターフェース「も」悪いことが多い気がします。)
少なくとも、たった一枚のスクリーンショットから UI の良し悪しは言い切れないと思うのです。
良いのは「UI」ではなく「ビジュ」だけかもしれない
ここで言いたいのは、次のようなことです。
UI は良いけど UX は悪いね
というセリフの多くは、より厳密には、
ビジュいいじゃん
けど体験(UX)は悪いじゃん?
多分インターフェース(UI)も悪いじゃん
ということではないでしょうか。
言葉遣いの細かいところで、すみません。でも、どうしてもモヤモヤしていたもので…。「ビジュが良いだけで UI が良いとは言いたくない」という気持ちがありました。また、UI は見た目の話だけじゃないよ!ということも伝えたかったです。ぜひ一緒に、優れたインターフェースを設計していきましょう!