outani_a
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辞書の「クィアベイティング」の項目に資料として載るような存在だけど、やっぱりこれは名曲だし今も好きだ。 

t.A.T.u. - All The Things She Said 

自分はゲイとして最も辛かった時期も、最も激しくはちゃめちゃに恋&愛してた時期もいわゆる学生時代前後だったので、今もこのMVを見るとうるっと来てしまう。もうこの先の人生、あんなに他人のことばっか考えて過ごす衝動は来ないんじゃないだろうか。というか来ても困るというか、今の体力であんなのたぶん対応できない。間違いなく胃潰瘍になり髪が抜け高血圧が悪化するだろう。それぐらい凄かった。死んでもいいと思った。狂っていいと思った。どっちにもならないまま恋は強制終了し、破滅もしないで43歳になった。成人してからも他人を愛することは何度かしたけど、恋は学生時代のあれだけだったのかもしれない。よく映画で、恋に落ちた瞬間世界がスローモーションになる陳腐な演出があるでしょう。私はあれが真実なのを知っている。本当に起こることなんだあれは。

しかしまーロシアでこんなユニットが誕生し大ブレイクしてたのを今の地点から見ると、いろいろ考えてしまうよ。暗い気持ちになる。たった20年かそこら前はこうだったのに。人権や「よきこと」というのは自動的に発展していくものではなく、気を抜くといくらでもクズ権力によって後退させられてしまう。アメリカだってそうだし、日本だってそう。チェチェンやロシアなどの同志(クィア的な意味で)が、どうか一日でも早く安全で安心な暮らしができるよう願わずにおれない。私もそのためにやれることをやるよ。