outani_a
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おくればせながら『ダンジョン飯』最後まで読んだ。面白かったー。面白かったし絵がウマいことに気付かんくらい絵がウマい。ストーリーはぜんぜん違うが(いやけっこうそこも近いか?)、世界の広げ方と閉じ方が『ドロヘドロ』の作劇に近いものを感じた。どっちも大好き。種族や住んでる場所によって違う死生観が混ざりあわずに描かれるのが面白い。

最終巻の1ページぶちぬきライオスには感動してしまった。彼は変なやつで、ひょうひょうと唯我独尊に生きているように見えるけど、子ども~若い時代の他者/コミュニティと混ざりあえなかった経験を乗り越えての今なのだというのが分かる描写がちょこちょこ入っているのがよかった。悩みがないわけじゃないんだけど、もうそこを悩んでいてもしょうがないよなとなった人の佇まい。

外見が一番幼いチルチャックがパーティで一番の普通の大人(おっさん)で、逆にセンシの内面はモラトリアム青年っぽいのも面白い。ダン飯、アニメも少し観る。あまりうるさくないのでこれなら観られるかしらん。

脳みその汁の出が悪いので、ここしばらく元気のいいものが観られないでいる。ハズビン・ホテルとかおすすめされて面白そうだなあと思うのだが、すごく元気のよさそうな作品なので、もうちょっとこっちが元気になってから……となってしまった。『キャロルの終末』はローテンションなまま観られてよかったな。おれは40代になってもまだ「世界の終わり」に癒しを感じてるのか?と思うとタハハ……となってしまいますが。しかし日本が舞台だったらあんなウェイウェイした終末はやってこないだろうな。ここは陰気国一番地。

今一番ハマっているフィクションは『K2』なんですが、あれもアツい話であり「健康」な話ではありますが、なんせ落ち着いている。通算100巻連載の落ち着き。画面もハートもずーっと安定して美しい。花鳥風月K先生。ドラマチックな展開があっても心に負担がかからないので、何度でも読める。

とにかくここのとこ元気がない。まあ中年なんてそんなもんか。こういう状態でも人のドタマに全力で蹴りを入れるような騒々しい話を書くのは平気なので、おもしろいものである。