ほぼモーニングかドリンクだけ利用していた喫茶店でたまたまランチを頼んだら、これがまた目の覚めるようなマズさで、ちょっと感動してしまった。蛮勇すら感じるまずさ。トマト味パスタなんてまずく作るほうがむずくないかい? なんていうのかしら、トマトジュース飲んだ後のペットボトルに水道水入れてしゃかしゃか振った液体を冷めかけのパスタにぶっかけたような味わいでしたわ。凄いな……モーニングセットとかコーヒーは普通なのに。
まず~と思いながらちゃんと完食はした。意地汚いので。と同時に、外食でまずいものに当たるとちょっと嬉しくなるという奇癖がある。今の時代、どこのどんなものもみんなだいたい美味しいじゃないですか。コンビニ弁当なんかも爆裂に美味しくなったし(昔のやつのあのまずさ、今改めて食ったらすごいびっくりすると思う)、チェーンも個人店も、この不況の中しのぎを削りどこも努力を重ねて美味しくなっている。地代の高い都市部ならなおのこと。
しかし、あるところにはある。まずい店が。先のマズパスタも、この2024年の東京砂漠駅前一等地でよくぞここまで……とかみしめながら食べてしまった。貴重な店。貴重な味。まずいもんが生き残ってることに豊かさを感じる。頼むからこのまままずくあってほしい。もうあの店でパスタを頼むことはないと思うが……。