雪の小樽を歩く

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漫画の舞台を巡るべく北海道を訪れた記録。

新千歳空港に到着後すぐ、快速エアポートで小樽へ向かった。乗車券にプラスすると指定席に座れるuシートを利用したので快適だった。

まずは小樽名物花園だんごを食べるために新倉屋本店へ。

物語の序盤に出てきたしょう油だんごと、もう一本は胡麻だんごを選ぶことにした。しょう油だんごは生じょう油で漬けただんごに甘じょっぱいしょう油だれをかけたもの。胡麻だんごは粉末の胡麻がたっぷりと振りかけられていた。どちらもとても美味しい。宿で食べる用を買えば良かったなぁ。惜しいことをした…。

お次は襲撃された旧百十三銀行小樽支店へ。近くで見かけた日本銀行旧小樽支店や旧三井銀行小樽支店よりもカジュアルな外観。

今は小樽浪漫館という名前で主にガラス工芸品を販売している。ニシン漁が栄えた当時、漁に使うガラス製の浮き玉や石油ランプを中心とするガラス工業も盛んだったらしい。

お向かいは大正硝子館(旧名取高三郎商店)。左端のうだつが背景に出てきたものに似ているとのこと。見つけた人すごいな。

一旦宿に寄り荷物を預けてから運河へ向かう。人だかりが見えるなと思ったら撮影スポットに観光客が集まっていた。

この時点で少し雪が降り始めたけれど、普段は雪が降らない地域に住んでいるため気分が上がった。気温はマイナス0.1度で、予想より寒くなくて助かった。

北に向かって運河沿いを歩くこと数分、橋をひとつ越えたところで大通りに出て、シャチホコが印象的な運河プラザ(旧小樽倉庫)へ。こちらも背景に出てくる。

玄関前には犬の銅像が。

ぶん公は昭和の初め頃に消防本部で飼われていた犬で、消防車に乗って出動し、火事現場の野次馬を追い払うなど活躍したらしい。えらすぎる。

運河プラザはお土産コーナーもある観光案内所だった。欲しかった土熊のお茶缶を見つけて大喜びで購入。積まれていたとうきび茶を選んだ。

運河プラザを出てしばらく歩くと、海産商、大家七平が建てた旧大家倉庫があった。「やましち」の印に越屋根、入り口の二重アーチが印象的。後で調べたら、ここも背景として出てくるのだという。

運河沿いに戻って小樽市総合博物館の本館を目指す。この辺りから人を見かけなくなり、静かで冷たくて気持ちの良い散歩になった。

20分くらい歩いて通りに出たところ、交番の前で映画のポスターに遭遇。そんなコラボの仕方があるんだ…と笑ってしまった。

若干道に迷いながらも、なんとか無事に到着。雪がすごい。

博物館は旧手宮線・手宮駅構内跡地に存在する。ここが北海道の鉄道発祥の地で、石炭の輸送を目的として道内で初めて鉄道を通した場所らしい。

入場券(切符の形をしている)を買って一歩展示室に入ると最終決戦の舞台、「しづか号」が迎えてくれる(写真撮影可)。官営幌内鉄道がアメリカから6番目に輸入した蒸気機関車とのこと。

後方には暗号を解くために乗り込んだ一等客車が!

なんと上からも見られる。

しづか号の頭の先の展示室にはジオラマがいくつかあり、重機もない技術も確立されていない時代にどうやって蒸気機関車を走らせたのか、大変な苦労が垣間見られた。

一通り展示を観てから博物館を後にし、来た道を戻って六花亭へ向かう。現地に来る前はしんどくなったらバスかタクシーを使おうと思ってたけど、歩くのが楽しくて徒歩で移動した。

六花亭の近くに着くまで知らなかったのだけど、この辺りは食事処や土産物屋が密集しているエリアだった。観光客がたくさん集まっていて、歩道の雪がこの日一番ガチガチツルツルに踏み固められていて恐ろしかった…。ペンギン歩き必須。人生で一番そろそろと歩いたと思う。

店舗は一階が売店、二階が休憩コーナーになっている。シュークリームと、現地でしか食べられないと聞いた雪こんチーズを食べて一服。自覚していなかっただけで結構疲れていたようで、甘いものを食べ温かいコーヒーを飲んだらほっとした。

その後、ルタオで試食させてもらったクッキーが美味しかったので購入。紅茶の風味が濃厚に感じられて驚いた。

そのほか土産物屋を眺めつつ、転ばないようゆっくりゆっくり歩いて蕎麦屋薮半へ。口コミで混雑すると読んだので開店時間に合わせて行った。

目的はにしん蕎麦。食べたかったんだ!

とろろや数の子が乗った2、3月限定バージョンを注文した。にしんがほろほろで美味しい…。最後にそば湯もいただいて大満足。お店も雰囲気があって素敵だった。

そして夜は看板犬がいる宿に!泊まった!

たまに置物に間違われるくらい静かで大人しいらしい。おやつをあげさせてもらえることになり、お手を促したら大きいおててをグッ…!と圧強めに乗せてくれて感動した。犬を撫でたのはいつぶりだろう。ありがとうありがとう…。

そんなこんなで一日目が終了。宿に着いて温泉に入ったらもうやることが無くなり、お着き菓子のかりんとう饅頭や道中で買った瓦焼バウムを食べ、テレビを付けてぼーっとしていた。窓から見える雪景色が新鮮で何度も確認してしまった。

この日歩いた位置関係はこんな感じ。お疲れさまでした。