そういうことをするには、ここはちょうどいい場所のように思える。
誰にも知らせずに、水に浮いたままぼんやり流されるように書きものをすること。
憧れのひとに手招きされてSNSを始めて、まだいまほど住人の多くはなかったその場所でいろいろ面白おかしい体験をして、そのこと自体はとても楽しかったものの、たぶんいまの使われ方……というか、いまの「タネが明かされてしまったSNS」は私にとって、あまり居心地のいいところではなくなってしまった。
マップがぜんぶ開いて、結果としてなんとなく窮屈な雰囲気が漂うようになってしまった。そんな感じ。
加えていろいろなことが本当にいろいろあって、たぶんもうSNSに私を誘った憧れの人とは、昔みたいには遊べなくなってしまった気がする。
そういうことのなかで、そもそも私は、誰が見ているとも、誰がやってきてくてるかも定かでないところで、個人サイトやブログに小さく部屋に明かりを点けているような暮らし方が好きだったな、ということを思い出して……。
大海原に手紙を詰めた小瓶を流すような……。
でもいまはもう個人サイトもブログも、長いこと歩いて回っていなくて、何がどうなっているかわからない。
そんなところにこのサービスを見かけてなんとなく飛び乗った、これが初日の日記です。
だからこの場所のことは、見つかるまで誰にも言わない。