ゆゆ式第3話の島特有の虫の標本買ってみた

おいしい手羽先レシピ
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公開:2024/12/26

ゆゆ式 Advent Calendar 2024 の16日目のエントリーが空いていたので、それを26日に取得しました。


アニメゆゆ式の第3話で、海外旅行中の縁ちゃんから送られてくる写真に虫が写り込んでいる話がありますよね。

特にこの「島特有のヤツかな…」と言われるやつ。

この2種は恐らくナナホシキンカメムシ(Calliphara excellens excellens)かその近縁種と、キバネツマルリタマムシ(Chrysochroa buqueti rugicollis)かその近縁種です。2015年に私が色々調べて見つけました。

これは今は亡きTwitterで三上先生にリツイートしていただいた、今は亡き私の旧アカウントのツイート。

当時は縁ちゃんの海外旅行先の情報が「南国」ということしか無く、この虫の情報から縁ちゃんがどの国に行ったのかを探っていました。

三上先生のTwitterやゆゆ式原作(第9巻111ページ)で旅行先がスペインだったと明かされるのはもっと先の話……

だったと思っていたのですが、今探したら2012年時点で言及がありました。

https://x.com/mikamikomata/status/262936412800819200

スペインで南国リゾートで島特有の虫いそうなとこ……カナリア諸島?

とはいえ、アニメ制作側は当時この情報を持っていなかったようで(敢えて場所変えた可能性もありますが)、縁ちゃんの写真の背景にある水上コテージはいかにもモルディブのそれですし、この島特有の虫2種は主に東南アジアに分布するものです。


追記

第3話の虫たちはエンディングにも登場しており『ゆゆ式 TVアニメガイドブック 〜情報処理部のライフログ〜』の124ページ「エンディング解説」に各話ごとのキーアイテムとして名称が載っています。

今回の記事で取り上げている2種の公式名称は「緑色のムシ」と「青色と黄色ムシ」です。

青色と黄色ムシ。字面の絶妙な漢字カタカナ使い分け加減と形容のシンプルさがかわいいね。


ナナホシキンカメムシは国内では沖縄や奄美群島に分布しており、海外だと台湾の蘭嶼という島や、フィリピン、インドネシアで見つかっています。

近縁種にハラアカナナホシキンカメムシ(Calliphata nobilis)がいるほか、フィリピンにCalliphara excellens speciosaとCalliphara excellens ecoelestisという亜種がいるそうです。

キバネツマルリタマムシの方は基亜種(Chrysochroa buqueti buqueti)がミャンマーやベトナムを含む東南アジア大陸部からインドネシアなどの島嶼部まで分布するのですが、ゆゆ式に出てくる虫に似ている方の亜種 Chrysochroa buqueti rugicollis はタイのインドシナ半島部分にいます。

この rugicollis 亜種は胸部に青い線が入らず、頭部と同様に真っ赤です。和名をムネアカツマルリタマムシとしているサイトもありました。

また、この虫を探している過程で、カッコウムシ科の Thanasimus formicarius、カメムシ科の Dysdercus bidentatus、コメツキムシ科の Cardiophorus tricolor など、別の科で見た目似ている虫を見つけて面白かったです。収斂進化の例に入るんですかねこれ。

で、そんな2種を今年ヤフオクで見つけたので買いました。

それがこちら。



てってれー

ナナホシキンカメムシは死ぬと青く変色するのですが、この標本ではそれを防止する加工が施されています。

キバネツマルリタマムシはタイのチェンマイ産ですね。チェンマイはタイ第2の都市で、近年は産業面で注目されていますが、タイから輸入されてくる虫の産地として生体、標本問わずよく見る印象です。

昔から欲しいと思っていたゆゆ式グッズなので買えて満足です。