白い靴下に黒のストラップシューズ。それがわたしの平服でドレスコード。ヒールがあるもの、ないもの、革素材のもの、ソールに厚みがあるものだとかいろんなかたちのストラップシューズを出かけるイベントによって出番を決めている。明日は仕事。どの靴を履いて行こうか。厚底のいちばん強くてかわいいストラップシューズをただ仕事に行くだけの日に選ぶ前日の夜、「明日かわいい靴で出勤するから覚悟して〜!」と誰にむけてでもないのだが覚悟を促す。そうやって自分を鼓舞する。
(今日は午前で帰ろう......)と毎日思っているわたしだが、今の仕事を始めて半年になり、数日、有給休暇をもらった。少し心の余裕ができたのだが、有給休暇が帰りたい気持ちの背中を押す。「今日は帰ります」と言い出せないまま退勤の時間を迎える。そんな毎日。
楽しみな予定の前の日の夜、足の爪にネイルポリッシュを塗った。めったに塗らないし落とす理由がないから落とさない。今日お風呂を上がって三角座りでドライヤーをしていたとき、ふと伸びた足の爪が目に入って、楽しかったあの日から爪が伸びるくらいの時間が過ぎたんだと寂しくなった。素敵なあなたを誘う口実を探してるの。