12:00起床
8時過ぎぐらいに社用携帯の着信で目が覚めたものの電話を無視する。夜間休日も電話をとるように言われており、本当に信じられない頻度でかかってくるが大体無視している。私が出なくても誰かが出て対応するし、給料出ないのに業務時間外に仕事をするほどの熱意は私にはない。「電話もっと取ってよ」と先輩から冗談混じりに言われ、「土日はだいたい映画館にいるか舞台観てるので気づかないんです汗汗」と返したら半信半疑の顔をされた。これは本当である。
社用携帯のバイブ音を無視して二度寝したら「イーライ・ロスをリスペクトした短編映画のオムニバスをシネマート新宿で観る」夢を見た。結構良い作品群だった。
さすがに昼過ぎだったので起床し、コーヒーを淹れてダラダラ外に出る準備をしながらゲームオブスローンズを観る。友人に「絶対に好きだと思う」と言われて見始めたら本当に面白く、しかも超大作なので話数が多くて嬉しい。まだ1章を繰り返し観ているがジェイミーが好きすぎる。美しい悪。
16:30から『哀れなるものたち』を観ることにし、それまでの時間で服を買うためルミネに行く。ファッションにあまり興味がなく、人混みが苦手な陰キャのため「今日は服を買うぞ!」と気合を入れないと服が買えない。結果、可愛い春服をゲットした。初めて入ったお店だったが、店員のかわいいお姉さんが色々着せてくれてちゃんと気に入ったものを買えた。普段めんどくさくて試着せずに適当に買い物をしがちだが、やっぱり着て選ぶって大事だなと思う。自分を大事にすることの一環かもしれない。
ルミネから紀伊國屋に行って妹の誕プレを選ぶ。妹とは毎年お互いの誕生日に本を交換している。姉妹とはいえ当たり前に趣味嗜好は異なるし、選書にはセンスが出るので結構気合いのいる作業である。いい感じの本を選んで購入。
紀伊國屋を出てすぐが新ピカで助かる。新宿はマジで汚いし人多いしうるさいしで最悪だが映画館の数が圧倒的すぎて離れられない。新宿で観られない映画はないんじゃないか。いつも通り新ピカはアホほど混んでいてもう帰りたくなったが『哀れなるものたち』鑑賞。凄まじかった。
24年ベストをもうこれで決定していいくらいにパワーのある作品だった。私はラース・フォン・トリアー作品が一番好きなのだが、間違いなく同じ系譜を感じて鳥肌が立った(話の内容ではなく映像の部分)。トリアーにウェスアンダーソンを足した感じ?レビューを見てもあまりトリアー作品との類似に触れられていないので私の思い込みの可能性もある。とにかく凄まじい作品だった。
昨年末に北野監督の『首』を観た時もそうだが、頭をぶん殴られるような良い作品を観ると、作品それ自体の感想をすっ飛ばして良いフィクション作品が生まれ続けていることに感動する。『哀れなるものたち』は満席だった。新宿ピカデリーの座席数×上映回数分の人があの映画を観ているのは素晴らしいことで、クソなことの多い社会の中でも希望的だと思える。私は基本的にいつもうっすら希死念慮があってさっさとこの世から退場したいと思っているが、こんなに良いフィクション作品がずっと生まれ続けるならもう少し生きてみるかと思える。良質なフィクションに生かされている。