メディアミックスに馴染めない

pat
·

 この冬、読んでいたweb小説がアニメ化しているものがいくつかあり、感情が波立っている。言わずとしれた話題作に比べれば地味ではあるものの、「望まぬ不死の冒険者」は良い作品なので読んでみてほしい。……といったような具合で、メディアミックスはその作品に今まで届いていなかった層にリーチするきっかけになる。しかし、それを素直に喜ぶことができない体質であることを最近感じている。まあ、愚痴や恨み言の類だ。

 原作(一般的な呼称であり、他に適切な表現もないが、実のところこの扱い方からして既にあまり好きではない)へのアクセスが増えるのは喜ばしい。景気の悪い話だが、出版全般、特にweb小説の書籍化については市場規模に対して作品数が多いのか、あまり継続率が高いとは言えない状態にあるらしく……作者が報われることは非常に重要なので、個人の好悪は置いてメディアミックスは肯定する。肯定は、せざるを得ない。

 メディアミックスには多大な労力や費用がかかっていることは想像に難くない。だからせめて成功してほしい、と思っている。一方で現実的には、アニメもマンガもweb小説と同じような市場規模の問題を抱えているように見え、良いものが成功するという単純な希望は抱けない。

 好きなweb小説が、「コケたアニメ」や「打ち切られたマンガ」になってしまうのはあまりにも辛い。余波で「原作」の更新が止まったりするとなお辛い(そもそも、web小説のメディアミックスにおいては作者の労力的な負担がかなり重そうに見受けられるケースがある)。そういう意味では、書籍化すらも喜べないことがある。

 web小説が単体でヒットして作者に報酬が入ってほしい。それをやろうとした、あるいはしているのがカクヨムのリワードプログラムだという認識なのでほどほどの商業色で頑張ってもらいたいなあと思っている。最後の最後で閑話休題。