旅行記8日目 - ヴィリニュス

pepperlandsk
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早起きに成功して6:30にはホテルを出ることができた。システムの故障が起きたらしく手続きにはちょっとごたついた。たぶん自分の部屋には他の誰かが宿泊することになっていたみたい。確かに部屋にウェルカムカードが置いてあったが、Dear Mr...の後がどう見ても自分の名前ではない。実は部屋のグレードとか合ってなかったんじゃなかろうかとも思いつつ、無用なトラブルは面倒だと思いそのまま宿を離れることにした。

(部屋にあったメッセージカード。珍しいサービスと思い写真を撮ってあったが名前が違う)

タリンから来た時と同じバスターミナルに到着する。今回も昨日と同じくFlixbusに乗る。後ろの座席の男性に何処から来たのかと話しかけられた。その人はアイルランドから来た人で、目的地はワルシャワらしい。このFlixbusの路線はタリンから始まり、リガ、ヴィリニュスを経由してワルシャワが最終目的地となっている。イナリで会った夫婦もワルシャワに寄ったと言っていた。旅程を1,2日足せたら行きたかった...

リガーヴィリニュス間はタリンーリガほど離れておらず、11:30には到着した。雪が降りしきっており、相変わらず天気に恵まれない。町の雰囲気はタリン、リガとも異なっており、なんというか想像上のロシアの雰囲気に一番近い感じがする。ターミナルからほどなく歩くとバックパックを背負った老人のストリートアートに遭遇した。めちゃくちゃかっこいい。町にホステルがいくつかあるし、バックパッカーの聖地とかなんだろうか。

(ヴィリニュス、バックパックを背負った老人のアート。たぶんアインシュタイン?)

バスターミナルから宿はそれほど離れておらず、15分程歩いて到着した。Hotel PACAIという旧市街の中にあるホテルで、12時前の到着だったが快くチェックインしてもらい部屋に通される。ここのホテルは人生で一番豪勢なホテルかもしれない。建物自体は15世紀から存在しているらしい。廊下のあちらこちらに彫刻が置いてあり、香水の匂いが立ち込めている。この日も結局昼ご飯はカロリーメイトにした。

(Hotel PACAI、ホテルの廊下)

旧市街の中心部に向かい散策する。雪が酷いが、タリンの雹ほどひどくはない。どの建物もタリンより建物は大きく、リガよりは豪勢な感じがしない印象で、街並みとしては一番好きかもしれない。ヴィリニュス大聖堂はこの旅行中に見た建物の中で一番スケールが大きく、内部もとても壮観だった。冬の水曜日だったからか、人も数えるほどしかいない。

(リトアニア大聖堂、外観と内部)

さらに大きな建物であるリトアニア大公宮に移動する。リトアニア大公宮は元は宮殿だったらしいが、中が博物館になっている。相変わらず人はまばらにしかおらずとても空いている。中は広すぎてルート別に料金が分かれているらしかったが、全部足しても10ユーロほどだったので全ルート分購入することにした。。1ルート目は宮殿に加えてリトアニア自体の歴史について解説がされているエリアで、歴史のみならず風土、文化が合計50章ぐらい、1章あたり8節ぐらいの看板と共に語られていた。英語の解説もあったがとてもじゃないが読み切れず、流しながらルートを散策する。ちゃんと見てたらルーブル美術館並に時間を使ってしまうかもしれない。2ルート目は宮殿の部屋を実際に周ることができるルートだった。カラフルではありながらも原色を少し暗くした色使いがかなり好みだった。これはロシアとポーランドどっちの文化影響だったんだろうか。

(リトアニア大公宮、カラフルな大部屋)

丘の上にゲディミナス搭から大公宮や旧市街が一望できるらしく、日が落ちる前に早く目指すことにした。タリンの展望台とは異なり、本当にちょっとした小山のような丘の上に塔だけが立っているエリアがある。ロープウェイは冬季で動いていないらしく、雪の中坂道を歩かされることになった。相変わらず石畳が雪と相まってとにかく滑りやすい。昔の技術のままなのだろうか、どこの旧市街もそうだが、がたがたで歩きにくくところどころに水が溜まっている。そんな感じの道だからか、街を歩く人はみんな厚底のブーツで誰もスニーカーを履いていない。日本の土木工事というかコンクリートの技術ってすごいんだなと改めて感じる。

丘の上から旧市街を一望する。屋根はタリンに似ているが規模がとにかく大きい。リトアニア大公宮の全容をようやく見えて、その大きさにも改めて驚いた。やはりどことなく、(自分の想像上の)ロシアっぽい雰囲気を感じ、とんでもない所に来たものだなあという実感を新たにした。ゲディミナス城の中にも入って町を一望する。塔の上では何か電気工事?をしている人が4-5人ほどいたため、居心地が微妙に悪く早々に去ることにした。案の定、雪のせいで帰り道の方が大変だった。

(丘の上から見たリトアニア大公宮)

(ゲディミナス塔)

Rimi Expressというスーパーで明日の朝ごはんを調達する。ラトビアと共通のチェーンらしい。コンビニのNervesenもよく見かけるし、小売店はラトビアと同じものが多いみたい。セルフレジまた再チャレンジした、ビニール袋の購入で毎回間違えるので今回気を付けたが結局今回もエラーが発生し、店員を呼ぶことになってしまった。明日からはもう普通に有人のレジに並ぼう・・・

ホテルで一度休息をとる。洗面所で服を洗濯する。今までもヘルシンキやタリンで何度か自分で洗濯した。今ではただの荷物になっている三脚やスキーウェアのアンダーのせいで、服や肌着をそんなに多くの量を持って来れていない。ヒートテックを手洗いするのが地味に大変だったが、それもこの旅行ではきっと最後だろう。

夕食は地元のリトアニア料理を出すレストランに行くことにした。結局ラトビアでは食べられなかったビーツのスープと、リトアニア料理のCepelinaiを注文する。ビーツはもともと株のような野菜で、スープはピンク色の変わった色味をしている。Cepelinaiは英語で書くとZeppelinと書くようで、確かに飛行船のような見た目をしている。ハンバーグの種を、ジャガイモをすりつぶして餅状にしたもので包んだ料理。スープの付け合わせにもジャガイモが大体1つ分添えらえていたが、とにかくジャガイモを食べる文化なのだろうか。お腹に溜まることこの上なかったが味はとても美味しく、何とか完食した。

(ビーツのスープとツェペリナイ)

明日は自由に使える旅程としては最後の一日になる。フィンランド行きの飛行機の中では疲れるだろうからマキで帰ろうか、なんて思っていたが、今になってかなり名残惜しい。交通事情を調べる緊張感から解放されるのもこれで最後だ。明日の目的地はシャウレイで、ここから190km離れた土地に日帰りで移動する。最後にリトアニア鉄道をインターネットで予約し就寝した。