技術的負債ではなく「Technical debt」と言え

peta
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財務諸表において「Debt(負債)」は、支払いや返済義務を負う資産として表される。短期(1年以内)・長期の2つに区分され、「支払い期日がいつ到来するか」と利子については当然重視される。

技術的負債はどうだろうか。経験ベースではあるが、時間軸に関しても、利子に関しても明言されることは少ないと感じる。Debt Financeと違ってお金に直接換算することはかなり難しい。(正確に測るのはほぼ不可能と言ってもいいと思う)

時間軸に関して何ヶ月というのは難しくても、例えば「XXの機能を追加する時は複雑度をます要因になりそう」という見立ては可能ではないだろうか。

もちろんもっと粗くても良い。「何かをする時に負債になる」という見立てをするかしないかが重要なのである。それによって「その何か」の見積もりの精度やマイルストーン上どこにあるかを論ずる機会となり得るはず。

時間軸に比べて利子はもっと難しい。そこで入れた負債がどれくらい日常の開発に影響を与えるかは個人の技能によるところもかなり大きい。しかし、「1%なのか3%なのか、はたまたもっと高いのか」はチームで話すことはできそうだ。話せないということは、「利子不明の負債」をしていると言えるかもしれない。

(逆に、利子0%ならもはや負債ではなく最良の実装であるはずだ)


財務諸表のDebtと同じ精度の計画をするのは難しい。なぜなら開発をお金で換算していないからだ。

しかし、時間軸と利子の観点を持つことで、「どのタイミングで改修する必要があるのか(返済タイミング)」「日頃どれくらい影響するのか(利子)」をチームで考えるきっかけになるはずである。