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深まる謎【転】−山梨一人旅

槐夏
·
公開:2026/9/17

当初の気楽さとは打って変わって「この石は本当にアウインと呼べる石なのか、もしアウインでなければ何という石なのか」と日々大きくなる疑念。いつまでも管を巻いていても埒が明かないので、思い切ってアウインを鑑別に出すことにした。

然るべき機関に鑑別を依頼するのは初めてである。調べてみると宝石の鑑別を受け付けている機関はあちこちにあるようだが、うちのアウインは宝石加工されていない「原石」なので、原石を鑑別してもらえる所でないといけない。「原石の場合は鑑別困難あるいは鑑別不能として戻されることが多い」という案内が散見された。旗色が悪い。

インターネット上の評判などを参考に数件の機関に目星を付け、それぞれのウェブサイトをよく読み、良さそうな印象の研究所を一件選んだ。

「所有する原石を鑑別に出すことを検討しているが、原石は鑑別困難なケースがあるらしいと知った。まずは鑑別に出しても差し支えないかお訊きしたい」とフォームから問い合わせるとすぐに返事が来て、「原石はカット済の石で行う屈折率などの検査が出来ないため別の検査が必要になり、追加料金が掛かるがよろしいか」という。

えっ(゚○゚)!!?

追加料金を支払えば原石でも鑑別してもらえるってこと?

しかもその追加料金、高くても2,000円弱で済むようだ。

これは鑑別に出さない理由がない。

という訳で電光石火で鑑別を依頼。

ソーティング(検査結果のみが記されたメモのようなもので安価)を得るのでも良いのかも知れないけど、A4サイズの鑑別書だと検査内容なども記載されているといい、多方面に興味があるので鑑別結果はA4サイズで出していただくことにした。

天然石をどこかへ発送するのも初めての経験である。アウインは硬度が低いうえ劈開といって特定方向に割れやすい(まあ本当にアウインだったらの話だけど)性質を持つため、細心の注意を払う必要がある。古新聞と気泡緩衝材をこれでもかと詰め込み、自分でもちょっとやり過ぎではないかと感じるほど厳重に梱包した。不安神経症の本領発揮である。

こうしてアウインは、鑑別を引き受けて下さった研究所がある山梨へ一人旅に出た。

台座は留守番。

長道中なので心配だったが、研究所からわざわざ「無事に到着した」とメールを入れていただきホッとした。

あとは鑑別結果を待つのみである。もし鉱物名が「天然アウイン」という結果だったら、宝石名が「アウイナイト」になるのか、はたまた前記事【承】の国立科学博物館のキャプションのように「ラピスラズリ」になるのか、そこも見ものだ。

@phlox
うだつが上がらない日常をゆるく綴っています。