海に程近い,広々とした庭園.
アクセスが都内の公園の中ではそこまで良くないせいか,どんな時でも落ち着いていて穏やかな空気が流れている.神社仏閣の庭園をみょーんと伸ばしたみたいでなんとなく荘厳な空気すら感じる.おおはしゃぎできない不思議な雰囲気で,わたしはとっても好きだ.行きにくい場所じゃなかったら一人で訪れたい場所だけど,一人で行けるほど気軽じゃないところがこの落ち着きを作っているのかもしれない.
春に訪れた時は時期を間違えて菜の花をみることができなかった,かわりのタンポポ.
歩いているうちに藤棚を見つけた,立派なビルとの共演は他では見れない貴重な絵図かもしれない.
庭園というだけあって,道や橋の造り込みが鮮やか.詳しいことはわからないなりに計算され尽くされていることがわかる.歩いているだけで日本らしさが存分に伺えるのも良い.
よく知らないお花も素敵だった.植っているお花にも風情を感じる.
富士見山に登ったら,富士山は見えなかったけれど素晴らしい景色が待っていて,思った以上の光景にしばし絶句してしまった.その後なぜか城を築いた武将の気持ちになり,天守閣から我が陣地を見下ろしている気分になった.私のものではないのに,関東すべてが私のものになった気持ちだった.
さて,秋の来訪はコスモスの駆け込み需要が目的だった.
公式が「お花畑」というメインスポット,名に相応しく春にはナノハナ,夏秋にはコスモスとキバナコスモスを,と季節のお花を植えてくれていて助かっている.
秋になると彩度を下げた写真も恋しくなるのは,秋が「あはれ」で「いとをかし」だからだろうか.
写真を見返して「黄色のウルトラマンみたい」と思ってからウルトラマンにしかみえないお花畑.キバナコスモスは息が長くて嬉しい.
もう日が落ちるタイミングで(お花に光が当たっている時間には間に合わなくて残念だった),後ろボケすると綺麗で素敵だった.
秋の桜とかいてコスモスと呼ぶ,という名前の通り,たしかによく見るとさくらの花びらに似ている.色味もふわふわして小さい花が多くて茎も細いので,改めてかわいいお花だし,和っぽいお花だなあと思う.(浜離宮はナノハナも植えているけどナノハナも和っぽいお花で,チョイスがいい)
高校生のころたまたま「乙女の真心」という花言葉を知ってから可憐なイメージもあるので毎年,見に行きたくなる.今年はどこに観に行こうかなあ.