奥歯のとこがちゃんと磨けてないですね、ということで歯医者に教えてもらったヘッド部分が薄いブラシを使っていてめっちゃくちゃ使いやすいんやけど、毛が極細ですぐヘタる。一週間くらいで、あっこれもう無理じゃね??って感じになる。でも一本の値段が高いから一週間はちょっと…という気持ちで二週間くらい使ってみて「やっぱあかんな」という気持ちになって捨てる。
そんな感じなので、こないだ歯医者に歯のメンテナンスに行ったとき、自分がいやしい人間だということを実感した。
歯医者では3ヶ月に一回、歯科衛生士さんが歯のメンテナンスをしてくれる。その仕上げに歯のクリーニングがあるんやけども、歯間ブラシで磨いたあとにガチの歯磨きをする。ガチの歯磨きするときは当然、新しい歯ブラシを使う。
そう、あの高い歯ブラシを。
それを、歯科衛生士さんはおそらく一回で捨ててる。
ベリーベリー、MOTTAI-NAI。
そう思わずにいられない。
「捨てるならくれ」と言いたい。言えない。
仮に今、誰かに恋心を抱いたとして「好きです」って言うのは絶対言える。すぐ言える。なんらかのハラスメントになりそうだったり、めちゃくちゃ年下とかでない限り、すーぐ言える。全く恥ずかしくない。だってその人と本当にどうこうなれるんなら、人生における「その人と恋人として結ばれた」割合が高いほうがいいやん。ダメなら次いこうって思うのも早い方がいいし。なんやったら、一旦ラブホ行ってから考えませんか?くらいのことは恥ずかしげもなく言うかもしれない。アラフォーになってそういう開き直りはできた。でも「その歯ブラシください」は言えない。
言えないよ、「歯ブラシくれ」だなんて……。
この声が枯れるくらいに「歯ブラシくれ」といえばよかった。
「もう歯ブラシはいらん」なんて、言わないよ絶対。
言えない系、言えなかった系の歌はだいたいこれに当てはめて感情移入できる。