理想は変わる前提で、キャリアを考える

piyama
·

キャリアを考えるとは自分の未来を考えることだと捉えている。なりたい自分の状態をピン留めしておき、そのピンへどう辿り着くかがクリアに描けていると「キャリアが明確だね」と言われるのだろう。

キャリア検討にあたって、自分の理想へどう辿り着くかを考えるとき、その道筋に焦点が当たることが多い。実際人からキャリア相談を受けたとき、どういう仕事や職場を選んでいくと良いかという切り口で話題が進行する場合が多いだろう。

ただ私としては辿り着き方と同じくらい理想像(=ピン留めしたなりたい自分の状態)のことを重視すべきだと思っている。それは理想像自体がライフステージやその時々の価値観によって変わる可能性があるからだ。理想像が変わると、辿り着き方も変わり、これまで築いてきたキャリアとの連続性が途絶えるリスクがある。しばしば自分のかつて描いた理想像に縛られ、キャリアが昔の自分の意思決定軸に引きずられるケースがあるが、それは本末転倒だ。

だからこそ人からキャリアの相談を受けるとき、その人の理想像がどの程度の持続性を持つものか賞味期限を確かめる。不可逆な意思決定をするときに、理想が変わった場合のヘッジがどの程度されているのか、本人に認識しておいてもらうことが後悔のない意思決定につながると思っている。