料理の写真は撮っていない

カフェイン
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Web打合せが滞りなく終了。ノートPCのモニターの右下に表示されている時刻を見ると、18:00。すぐさま手元のiPhoneでタクシーを呼ぶ。ほどなく借間の階下に黒いハッチバックが停まり、セブンイレブンの前で待ち構えていた私はドライバーさんに目配せして後部座席に乗り込む。

夕方の山手通りは少し混雑していて車はストップ&ゴーを繰り返している。間に合うかな。これから会う女性との会話に詰まらないように、とハートと炎が合体したようなアイコンのアプリを立ち上げてチャット履歴を振り返る。ふと、これって仕事みたいだなという考えが頭をもたげるが、かぶりを振って目の前の作業に集中する。

窓の外に視線を移すと、いつのまにか目的地に近づいていたので、ドライバーさんに「ここでいいですよ」と伝えてタクシーを降りる。小道をそそくさと移動して、漸く目的地に到着した。ここは以前から行きたかったワインと魚介が美味しいというお店。以前友人にその噂を伝えると、彼女はすぐに来店したらしく、良かったよ!という感想を貰っていた。

薄暗い店内に入り予約名を伝えると、木のスツールが並んだカウンター席に案内される。どうやら彼女はまだ到着していないようだ。目の前のキッチンではバンド活動でもしていそうな爽やかな青年が次々に入るオーダーを捌いている。彼の仕事の丁寧さについつい目を取られてしまう。ふいにキッチンからバターの甘い香りが漂ってきた。気分は少し落ち着いていた。

@piyogator
いっつも目がしょぼくれてる