近所のドトールに入店。オーダーを済ませてお気に入りの窓際のテーブル席に腰掛ける。左手にはめているスマートウォッチを手前に傾けると、表示は0716。悴む手をコーヒーカップで暖めながらツナサラダチーズのサンドイッチを頬張る。日中は早くもスギ花粉が舞い始めているようだが、まだ朝は冷えるので温かい朝食が欠かせない。
iPhone のKindleアプリを立ち上げて、向坂くじら「夫婦間における愛の適温」を読み始める。文章のリズムがとても小気味よくてつい朗読したくなる。冒頭のエッセイで旦那さんがくじらさんの肩をマッサージするけど、旦那さんの力が強すぎてくじらさんの身体にあざができてしまうというエピソード。まるで過去の自分のことを書かれているみたいでギョッとした。元妻も元パートナーも肩凝りが酷くて辛そうだったので、肩や腰、足裏とかを良くマッサージしたな。けど、だいたいは痛い!という軽い悲鳴の後、苦笑いでもういいよって。程よい力加減って難しい。
ドトールから借間への帰り道。そういえば私が中学・高校の頃、父も良く私の足裏を揉んでくれたな、と思い出す。いや、揉むというよりも押し込むという表現が正しい。とにかく目一杯の強い力でツボをピンポイントに押し抜くのだ。初めはちょいと強いかなと思っていた私も次第にその強さに慣れていって、マッサージと言えば全力で押す!が基本になっていた。けれど、毎日泳ぎ込んでいる筋骨隆々の中高生と女性への力加減はそりゃ違うよなと変に納得した。そして私が彼女たちにしていたのと同様に、父もマッサージが私への愛情表現だったのかなと今更ながら気づく。今度帰省した時は私から肩でも揉んであげようかな。けど全力で筋肉をほぐすのではなく程よい力加減で。