もうぼったくりバーにはいかない

カフェイン
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旧正月で上海から帰国中のOと会った。彼は私が新卒で入社した会社の同期。お互い縁もゆかりもない名古屋に飛ばされて、他の独身寮のメンバー交えて夏は海・冬は雪山・彼女がいない時は夜な夜な女の子がいる場所に繰り出していた。お互い入社四年目の時に彼は上海、私はシンガポールに赴任になった。帰国後、彼は転職して中国に戻ってしまったけど、年に一回のペースでどちらからともなく連絡を取り合い生存確認をしている間柄だ。いまでは私も職を変えて、日々互いの持ち場で鎬を削っている。

彼との再会はだいたい美味くも不味くもない焼肉屋。肉を焼きながら互いのいまの仕事内容を伝える。プライベートな話はほとんどしない。食事を済ました後に喫茶店でコーヒーを飲むのも毎回のお決まり。歌舞伎町の雑居ビルを出て雑踏に紛れ込む。ほのかに香るタバコと脂の匂い。「俺らはきっとどこでもやっていけるよね」言葉にはしないけど、私たちは再会する度に無意識のうちにこんなメッセージを送り合ってるのかもしれない。先を歩く彼の背中を追いながらそう思った。

@piyogator
いっつも目がしょぼくれてる