朝。ルミネ1のエスカレーターを上がり、小田急の改札口を通り抜けて、新宿駅の南改札からJRの構内に入る。
10年以上前シンガポールの友人が旅行で東京に来た。一緒に新宿ゴールデン街に行ったのだけど、JRはなんの略称なのか?と聞かれたことを歩きながら思い出した。
塊状になった人々がプラットホームからエスカレーターや階段を経由してコンコースに向かって吐き出される。皆何かから逃げるかのようなスピードのため、肩をぶつけないように注意しながら8番線のホームに向かう。中央線はダイヤ通りに到着して乗換案内アプリが通知した通りの時刻に東京駅のホームに滑り込んだ。
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オフィスに到着して上司と最後の打ち合わせをして、この後のメディア向けの説明会に臨む。今回は私がプレゼン構成を練って資料と台本を作り上司がプレゼンをする、という役割分担だった。彼はあと1-2ヶ月で出向元に帰任することが濃厚で、きっと一緒に仕事が出来る機会も数える程だ。自分は発表を見守るだけなのだが、開始時刻が近づくにつれてそわそわしてしまう。
彼と一緒に仕事をしたくていまの職場にいる。彼がこの職場を去った後、私はどれだけの期間いまの役割を担うことになるのだろうか。これから始まる発表のことなんかより、そんなことばかり考えてしまっていた。