朝の散歩が一年を通して一番心地よい季節だ。半袖のTシャツに薄手のナイロンジャケットを羽織ってマンションのドアを開ける。昨晩は雨が降ったのか、少し湿っぽい空気が土とコンクリートの匂いを運んでくる。
スギ花粉が落ち着いたと思ったら、今度はヒノキのターンらしい。鼻をずびずびしながら歩く。
新宿中央公園にはいつメンが戻りつつある。春だからであろうか。久しぶりに見かけたスーツでスクワットおじさんも心なしか晴れ晴れとした表情で、じぶんの身体を念入りに点検するように屈伸している。
スターバックスの前を通り過ぎて北通りの坂をゆっくり下る。