朝からオフィスに。JR新宿駅、中央線のホームは通勤途中の会社員で埋め尽くされている。シルバーとオレンジの鮮やかな車両がホームに滑り込んできて、東京駅行きの箱の中に吸い込まれる。ふと隣の女性専用車両に目をやると、スーツ姿の男性がまるでそこにいるのが当然な様子で手元のスマートフォンを操作している。たぶん40歳くらい、ちょっと冴えない感じ。誰も注意しないのかな、さすがに話しかけづらいか。興味を失って手元のiPhoneのスクリーンに写っているメールボックスに目を移す。しごと、しごと。
たぶん御茶ノ水駅を過ぎたあたりだろうか。女性専用車両から先程の男性が少し慌てた様子で私がいる隣の車両まで小走り気味に移動してきた。こめかみに汗の雫が玉になっていていまにも首筋に転がり落ちそうだ。誰か親切?な人に注意されたのかな。それともふと我に返って周りを見回したら自分がいちゃいけない空間だって気づいたのかな。意地悪な妄想をしているといつのまにか東京駅。下車。
イベント会社さんが来社して対面打ち合わせ。来月開催するお客様向けイベントに向けて粛々と。打ち合わせ終了後に上司から4月以降の組織体制について衝撃の事実を聞く。驚き過ぎて膝から崩れ落ちそうだった。ふと、朝遭遇した女性専用車両に迷い込んだ男性のことを思い出す。このままだと、来年度の私は彼のように冷や汗を流しながら仕事をするんだろうな。身の振り方を考えよう。