💫 動物と妖精と精霊と不思議の話
今月読んだ児童文学のうち、いずれ再読したいと思った7+1冊についての短い感想です。いつものように翻訳作品に偏ってしまった。
※ ネタバレします
📖『パフィン島の灯台守』
作 マイケル・モーパーゴ
訳 佐藤見果夢
最〜高〜〜〜愛しかない。毎日読みたい。
📖『トムは真夜中の庭で』
作 フィリパ・ピアス
訳 高杉一郎
構成にむだがなく鮮やかで、繊細な物語。幻想の風景と移ろいやすい子どもの気持ちの描きかた、スケート靴にまつわるエピソードが印象的だった。ふたりで滑るための靴があって本当によかった。
📖『死の森の犬たち』
作 アンソニー・マゴーワン
訳 尾﨑愛子
いきなり魔女が現れて戸惑ったものの、すぐ好きになった。善なるバーバ・ヤーガに会えて嬉しい。終盤、個人的に受け入れがたい展開があり萎えてしてしまったが、そこを除けば読みごたえのある冒険譚だった。キース・ロビンソンによる装画と挿絵が格好いい。
📖『テディが宝石を見つけるまで』
作 パトリシア・マクラクラン
訳 こだまともこ
元気な時に読むと優しすぎて物足りないけど、元気の出ない時に読めば、心の暗いところや柔らかいところに手を差し伸べてくれるあたたかなケアの物語になるだろうと思った。
📖『シチリアを征服したクマ王国の物語』
作 ディーノ・ブッツァーティ
訳 天沢退二郎/増山暁子
読みながら、すごい! やめてよ! いいね! だめだよ! のような反復横跳びをさせられるので、happyな話ではないはずなのに楽しい。作家本人によるイラストレーションが超〜かわいくて綺麗。額装したい。夜の城で幽霊とクマたちが踊る挿絵がいちばん好き。
📖『山のバルナボ』
作 ディーノ・ブッツァーティ
訳 川端則子
のちに書かれた『タタール人の砂漠』の原石のような作品。ただし個人的な印象はまったく異なる。本作のほうが茫洋として希望が薄い……というより光が見えてこない。息苦しさと孤独感とが際立って感じられた。救われたいのに救いを拒む人の横顔を見た。
📖『古森のひみつ』
作 ディーノ・ブッツァーティ
訳 川端則子
一生好きな物語。夜の森で音を数える場面、毛虫の最期、カササギの兄弟と大佐の関係、風と大佐の別離がとくに好き。どれかひとつ選ぶなら……毛虫かな……現実の節足動物は気絶するほど苦手なのに不思議。
後日、品切れ絶版の長野徹訳も読んだ。本文の雰囲気は似ていて、翻訳に大きな違いはないように感じられた。注釈の置き方や詩歌の訳出で好みが分かれるかもしれない。スタンスの違いが現れていたのは巻末の解説で、年若い読者への愛情を綴った手紙と、ブッツァーティのファンへ向けた読書案内、それぞれ特色がありどちらもよかった。
❄️ また冬が終わる
花粉と黄砂とPM2.5がやってきた。大好きな冬が過ぎつつあると日ごとに実感して落ち込んで……る場合じゃない! 冬のあいだにしたいことをする。粘ります。寒いうちに読み直したい本がある。