ハッピー WITMonth 2025

fuyunowaqs
·
公開:2025/8/28

⚡️ 季節は五つ、春夏罰秋冬

毎日暑くて具合が悪い……けど涼しい屋内で本を読むにはぴったりの季節だから、都合のよいところだけをほどほどに楽しんでいる。いまは旬の朝採りイチジクだけが希望です。

夏のうちに #WITMonth についてまとめておきたい。本来7月に書くべき内容だけど、読むほうを優先してダラダラしていたらもう9月が迫ってきた。まるで人生。はやく冬になってほしい。

🌏 Women in Translation Month とは

Women in Translation プロジェクトは「女性」によって「英語以外の言語」で書かれた文学を応援する活動で、2014年から毎年8月を Women in Translation Month として、1ヶ月間、リアル/オンラインの区別なく開催されている、らしい。英語圏の大手出版社や独立系書店のウェブサイトでは特集が組まれているし、SNSには派生タグがたくさんあって、それぞれの読書体験を共有するシーンを垣間見ることができる。公式サイトは去年から動いていないようで残念だが、2秒で思いつくようなふにゃふにゃした疑問にすべて答えてくれているFAQが超クールなので、関心のある方はぜひ調べてみてください。

👀 目配り以前の目配せすらできていなかった

わたくしが "Women in Translation" を知ったのは去年の秋、つまりお祭り期間が終わってまた来年〜! というタイミングだったので、当時はシワシワになった。次はぜったい参加したい。夏を待ち遠しく思うなんて人生で初めてのことで、なんとも落ち着かない気持ちで日々を過ごしてきた。

是が非でも参加したいと決心した理由は、これまで読んできた本のうち、好きな作品、とりわけおとな向けに書かれたフィクションの作者がほとんど男性だと気づいて恐ろしくなったからだ。児童書や絵本で、無意識のうちに女性作家の絵と文章を好んでいるのとは対照的に、好きな小説の作者はほぼ男性だった。とくに古典や名作とされるものは男性だらけ。言語や地域、時代はバラバラでも、とにかくこの性別の偏りと、それに気づいていなかった迂闊が衝撃だった。娯楽として次に読みたい本を探すときに、作者の性別を意識したことがない。意識しなければ男性作家まみれになるのは、まあ、そりゃそうだろうなと納得した。ヤダ!

そういうわけで約10ヶ月のあいだ、作家の性別と出身地域を気にしながらさまざまな本の背表紙とあらすじを眺めた。はからずもアフリカ分割の歴史をなぞることになったが、地図と地球儀のおかげで少しだけ知識が増えたように思う。8月に読みたいから積んでおこうとか、8月まで待てないから読んじゃおうとか、気分次第の振り分けであらかじめ10名ほどの女性作家を選んだ。

📚 とくに惹かれた作品

1ヶ月間、非英語圏の女性作家の作品ばかり読んでいたわけではなくて #WITMonth に関連しない本とだいたい交互になるように読んでいたと思う。作品に近づきたくて、作家の出身国について書かれたガイドブックを読んだり写真や動画を検索したりしながら、おもしろい/つまらない、楽しい/わからない、さまざまなフィクションを読んだけど、くり返し読みたいとか作者の他の作品も読みたいとか思ったのは次の2冊。この2冊は本当にすごかった。すばらしかった。

🇫🇮『極北の海獣』イーダ・トゥルペイネン 作/古市真由美 訳

🇵🇱『昼の家、夜の家』オルガ・トカルチュク 作/小椋彩 訳

📖 春はあけぼの、夏は本、夜明け前もアチアチ

気の早いことをあえて言うけど、来年もぜひ参加したい。今回初めて実践してみて、あれもこれもとがむしゃらに読みつづけてしまった。次はもうちょっと落ち着いて……足踏みしたり寄り道したりしながら、本と向き合えると思う。興味があったのに好みの作品を見つけられなかった地域や国については、引き続き探していきたい。

「非英語圏」の「女性作家」によって書かれた作品で、おすすめの本や好きな翻訳がある方は、ぜひ教えていただけたらうれしいです。

🌕 8月が過ぎると9月がやってくる

9月といってもまだまだ、まだまだまだまだずーっと暑いけど、このタイミングでじっくり読みたい本もあるし、そのうちブックサンタの受付も始まるはずなので、健康に気をつけてほどほどに生き延びたい。

ところで #WITMonth より先に、今年のEurovisionについても書いておきたいと思っていたけど、これはなんか……書かずに来年を迎えそうですね。よくないね。