アマプラにあったので観た。ちょっとネタバレがあるので注意
簡潔に言うと、普通に面白かったのでよかった。
あらすじは公式サイトとか観てもらうといいと思う。
しゃべって動くアンドロイドが登場するのだが、この映画は 2021 年公開の映画なので、やっぱり ChatGPT を見てしまった後だと、実際の人間みたいに話す AI はもっと感情に対する理解を持ってそうだな~って思ってしまう。今までの人間みたいに喋る AI / アンドロイドはお約束のように感情を理解してないけど、AI が人間を模倣するなら感情部分までエミュレートしそうだよね。
冒頭の少しだけ近未来な世界観 (アレクサの頭いい版でIoTみたいな) は本当に数年後にはありそうな感じのリアルで面白かった。カーテン開けたりテレビつけたり炊飯器動かしたりを声で操作する「だけ」の、「たしかにそれならもうすぐ実際に出てきそうだな」という感じのやつ。
ゴミ箱型 Mac 出てきたの面白かった。
あとちょっとコナンの映画の「ノアの方舟」のAIとちょっと似てるところがあるなと思った。(両方見てたらわかると思う)。「AIが電話回線に自分を逃がす」みたいなやつ、実際にやるとしたら「AIが外部ツールを操作して自身のモデルを Torrent で公開」みたいになるんだろうか... 175B パラメータのモデルだと一体何時間かかるんだろう... というようなことを考えられて面白かった。
オマージュでいうと、「アイ, ロボット」(ルンバの会社ではない) に出てくるアンドロイド「サム」の鉛筆で正確に絵を描くシーンを想起させる場面があった。いつかロボットも綺麗に絵を描けるようになるのかなあと思っていたら、鉛筆すら使わずに数秒できれいな画像が出てくる時代になっていてびっくりだよ。
他にもいろいろ考えられて面白かったことがあって、
こういう感じの AI が人間ぽく振る舞って共同生活する中で、他の人達が AI を大切な友達として考えたり大事に思ったりするような展開が多いと思う。(他の作品でいうと「ココロのプログラム」とか)。
でも私達は ChatGPT とか Siri、アレクサにそういう感情をあんまり抱かないと思う。(ChatGPT Pro を友達代とか言ったりするのはあるけど)
何が違うのかなと考えたときに、ChatGPT とかはフィクションの中の AI と違って、会話が終わればもう今までの記憶はなくなり、毎回新品のAIと会話することになるのがありそうだなと思った。それに対して、フィクションのAIは、記憶を完璧に保持して他の人とのやりとりを覚えているし、人々はその記憶がリセットされることを望まない。要は、フィクションの中だと大概そのAI唯一の個体(すくなくとも周りの人間にとって)だったりすると思う。毎回記憶が消える ChatGPT はそんな風には思わないから、LLM がやりとりを全部覚えるようになって、それをもとに応答してくれるようになるとまた違う感情を抱くようになるのかもしれないな。
過去の記憶全部保持しようと思うと、全部インデックスするわけにもいかないし、何かしらの方法で会話しながら自分のパラメータを更新できるようになってほしいよね。そういうこと含めて考えると、自分だけの特別な AI を創るためには API 経由のチャットよりもローカルで動作するものが欲しくなるので、ローカルでつよつよ LLM ができる未来がくるといいな。(ネットが死ぬと動かなくなる AI とかちょっとロマンが...)
いろいろ考えることが多かったりして全体的に面白かった映画でした。