映画「トラペジウム」観てきた

plat
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ネタバレあります


事前情報ほぼなしで見てきた。予告編から、アイドル目指すっていうことだけ知ってた。広報キャッチコピーに乃木坂がどうとかあるけど、映画内容は全然乃木坂関係ないのでマジでなんも意識しなくていいです。

感想としては、かなり面白かった。

最近学園アイドルマスターやってたこともあって、見る前に想定していたのは推しの子みたいな王道?でキラキラした感じかと思っていたが、実際はかなり計画的・打算的で、理想に成れない現実的な感じで結構驚いた。

特に主人公の東(あずま)の性格というか行動が相当ぶっ飛んでて、最初から途中まで引きながら見てた。かなり思想が過激。偏見だけど恋人がいたら絶対DVしてそう。けど、一応人間なんだなって思えるシーンもあって、なんというか、共感できる部分もあった。

冒頭は東が一体何をやってるのかめちゃくちゃ謎だった。唐突に別高校に入り込んで「友達を作る」とかやったりしていて、アイドル映画って聞いたけど間違いだったかな??って思った。テニス映画見に来ちゃったのかな??南さんのいるお嬢様な高校の看板?に蹴り入れてるあたり、あとから考えるとわりと東の正確を象徴していてはじめから性格に難ありだったんだなと思った。

一方で西高校にロボット部の少女と「友達になる」ために、話ができるようにC言語の本を買って読んでいた、というのが執念というか狂気性が垣間見える。もともとロボットとかプログラミング絶対一切興味ないはずなのに、話を合わせられるように準備しているの、恐ろしいものがある。最近まで感覚が狂っていたが、普通の高校生はCとかC++とかJava触らないんだよね。西のセリフだが、アイドル映画で「C++とJavaの可能性を追求したい」みたいな言葉が出てくるとは思わなくて面白かった。

割と序盤でアイドルユニットになるための執着心やそれへの狂気的な行動力がわかるのだが、それ以降からだんたんと周りが見えなくなっていく様子や、それとともにいろいろ崩壊していく感じが、非常に胃が痛くなって面白かった。響けユーフォニアムくらい胃が痛くなる。

やっぱり東にとってロボコンで接着された友情は、ユニットアイドルやってたときもユニット組むためだけに存在する、接着されただけの友情でしかなかったんだなとか、北がSNSで炎上?したときに東から北に対して「彼氏いるなら友達にならなきゃよかった」みたいな発言が出てきたり、このまま続けてればそりゃ周りもちょっと気がおかしくなってくるよなと思う。

観光ガイドのボランティアの、取材を受けた帰り道に北から「前から友達だったよね?」みたいなこと言われてたのに、上の「友達にならなきゃよかった」発言があったので、マジでずっと踏み台や単に利用するだけの「友達」という名前だけの、うわべだけの契約として考えてたんだなと思う。

文化祭の写真撮影のときはてっきり東が全員にアイドル衣装着せる(か、全員がアイドル衣装選ぶ)のかとおもったが、実際は予想に反してそれぞれ別々の衣装を着ていて、あとから考えるとこの時点から既に全員がアイドルを続けられる未来はなかったのだなと思った。流れに身を任せて未知の領域に踏み入り、想像してない未来になることもあるとはいえど、心の底であまりにも離れていると思っている世界には、想像することも留まることもできないんだろうなと思った。

(東はちょっと怖いけど)みんないい子だし、最終的にハッピーな感じになったのはまあ良かった。

全員が全員まったく同じ意志で目標を共有していたわけじゃない、いびつな4人で当時は接着されただけの友情でも、最終的には仲直りできて再びつながることができた、みたいな感じ。


ストーリーとはあんまり関係ないけど、初めてのライブのシーンで3Dアニメーションと手描き2Dが高頻度で入れ替わっていて、めちゃくちゃ新鮮だった。というのも、ガールズバンドクライでは演奏シーンは全部3Dだし、MyGOも主には3Dなので、両方高頻度で入れ替わるように混ざって使われていたのは初めて見た。

全身が映るアングルでは3D、上半身アップは2D、みたいな感じになっていたと思う。高頻度で入れ替わることが認識できるとはいえ、わりと自然で大きな違和感がないのも面白かった。(MyGOのような、ちょっと前の3Dに多い表情の硬さは感じたけども)。

今までは個人的に、3Dを採用するのはそっちがコスト的に下がるからだと思っていたのだが、ガルクラでは逆に局所的に2Dが使われていたり(モブなど)、最近は結局どっちのほうが楽なのかよくわからん感じに思っていた。それで今回の映画で出てきた、2Dと3Dめっちゃ混ざるシーンについては、マジで最終的に省コストになってるのかめちゃくちゃ気になる感じだった。3Dでモーション撮るのも、2Dで描くのもどっちも大変そう... むずかしそう


この映画は別に新海誠とかのメジャーなやつみたいな、満席になるような映画ではないが、空いてる席に座って落ち着いて映画を見られる体験で結構良いなと思う。気まぐれで「大室家 dear sisters」を観たときも、観客が全然いないスクリーンだったけど、かなり気楽で良かった。

事前になにかの情報や感想を入れて観てしまうと、それが自分のほんとうの感想じゃなくなってしまう気がして、なるべく他者からの情報を入れたくない部分がある。(ただの他人の真似で自分がいなくなってしまいそうなのが怖い感じ)。最近のアニメとかでも、自分が見る前には他の人の感想は聞かないようにしてる。

自分がそれを初めて見たときに、どういう感想を持って、どういう風に考えて、どう感じるのかがめちゃくちゃ気になるし、そっちを知ることも初見の映像を見る楽しみで面白さであると思う。


今更公式サイト見てみたら、

東の問題発言のシーンが公式で切り抜かれてておもろかった。


エンドロールの曲が公開されてた

@plat
記憶が秒で消えるのでメモ。基本的に語彙力がないです。