1/1 『ゴジラ -1.0』(2023、山﨑貴監督、日本)

べいべ
·

感想書く書く言って早速3週間放置してた。愚か。記憶がまあまあ薄れてきてるけどとりあえず。

好きなところ

新生丸の三人が本当〜〜〜に可愛かった。いい塩梅の三人組はいつでも好きですね。学者先生がガチ有能ですっごく偉い人だったのが判明するところでちょっとソワソワしてる残りの二人がとてもよかった。あと、プレゼン&作戦会議で使ってた木の板を貼り合わせたゴジラ模型も可愛かった。これをグッズにしてくれればよかったのに。

ゴジラがこわい!こわいよ!じつは2014年のギャレス・エドワーズ監督のやつからちゃんと見始めたのでゴジラについてはドドドドにわかなんですが、これまで観たどのゴジラよりもこわかった。他の映画だとゴジラはわりと満を持してババーンと出てくる気がするんですが、今回はマジに心の準備すらさせてもらえなかった。でも何よりこわいと思ったのが、その恐怖を敷島は誰とも共有することが叶わなかったこと。どの作品でも、「ゴジラは人類共通の脅威」として登場するのだけど、今作の主人公にとっては後悔と自責の象徴でもあり、唯一自分を恨んでいる相手としかそれを分かち合えないつらさがあって、これは自分の中でとても賛否があるけど間違いなくこわくて悲しかった。

あと、ゴジラをはじめ、VFXは本当にすごかった。特に爆縮をしっかり演出&話を推し進めるために使うところがうまくてブチアゲ。同監督の作品は『SPACE BATTLESHIP YAMATO』しか他に観てないのだけど(逆になんでそれなんだとちょっと思うけど好きなんだよ、ヤマト……)、あれも見た目は本当にとても好きだったなあと思い出していた。

ヒューマンドラマ的には、戦後にはきっとよくあったであろう、「血縁ではない家族関係」はいいなあと思ったし、婚姻で結ばれていないからこそ相手の女性が自立を強く意識する→都心での仕事を見つける→ゴジラが上陸したあの日あの場所にいた、という流れがうまかった。必然性のかたまりで、遊びはないけど綺麗にハマったのが気持ちいい。他にも脚本の創意工夫が結構あったように思う。うめーーーと思ったもん。

銀座上陸時のラジオ実況がすげえ!と思った。こわいこわいこわいってビビりながらも目が離せなかった。あれをまた聴くためだけにもっかい観たいもんな。

合わなかったところ

↑以外のすべてにおいて、「気が合わない」。主人公を奮起させるために女を使うな、とか、当時の「古き良き」価値観をそのままバーンと出してくんな、とか、ひっくり返すためのミスディレクションの意地が悪い、とか、あんな大団円なめてんのか、とか。たぶんエモのチューニングが違うんだと思う。わたしはとにかくぜんっぜんエモいと思えない。

これと通じるところだけど、ゴジラの話よりも人間の話が多かった。ギャレゴジも人間の話めっちゃしてたけど、今回はなんというか、人間の話をするためのゴジラだった。どのゴジラも多かれ少なかれそういう側面があるんだけど、他者化が徹底していたと思う。でも、復興の只中で幸運にも戦火をまぬがれていた街を蹂躙されたひとたちに、ゴジラとは人間の愚かさ云々しても意地が悪いんだよね。モンスターバースの芹沢博士みたいなゴジラ寄り(?)の人がいてくれたらよかったなあと思いつつ、入る余地のなさが寂しかった。

たぶんこれを総合すると「ゴジラとは◯◯である」の「◯◯」が合わないんだと思う。マジでさあ、なんでゴジラのテーマをゴジラに立ち向かう人間のテーマにしたんですか……パンフレット読んだら書いてあるのかな。読んで何かあれば追記します。

あと場面転換に暗転使いすぎかな……なんか意図があるんだろうけど。レトロ感とか。

レトロ感で思い出した。エンドロール直後にモノクロ版の宣伝がバーンて出てきて「商魂逞しいな!?」となって余韻どころじゃなかったです。なんでそういうことするの。

総合

語るところのたくさんあるウェルメイドな一本だけど大真面目に気が合わない。でも好きなところに挙げた部分は本当によかったので、上映終わるまでにもう一回観たい。

@pluginbaby1103
みたものログとか