川端康成の短編集。『てのひら』じゃなく『たなごころ』らしい。
自分が好きだなと思った話は「骨拾い」「弱き器」「雀の媒酌」「夫人の探偵」「秋の雷」「死面」「秋の雨」「人間の足音」「屋根の下の貞操」「盲目と少女」「貧弱の恋人」かな。
川端康成本人のエッセイみたいな話はほのぼのしてたけど、夜の仕事をしてたり良い恋人に恵まれない薄幸の女性に対して聖性を混じえて描写してる話は、寂しさの中に川端康成の気遣いみたいなのがあって良かった。
短編だからか情景描写がより研ぎ澄まされてて、書かれてない、語られない中に話の奥行があって川端康成すごいなぁと思った。